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2004年10月12日

【流通】清水建設、メンテナンスが容易な壁面緑化システム「登ハン型」など2タイプを実用化

――新型壁面緑化システムのプロモーション展開――

清水建設ダイトウテクノグリーンは、共同で、施工コストを抑え、メンテナンスが容易な建物の壁面緑化システムを開発・実用化する。蒸散量が多く、壁面の温度上昇を抑制する効果が高いツタ類を使用した緑化システムで、ニーズにあわせて壁面を下から緑化する「登ハン型」と、屋上から植物を垂らして緑化する「下垂型」の2つのタイプから選ぶことができる。関係会社のテクネット等を通じて、事務所ビル、学校、商業施設、倉庫、病院などに販売していく。
近年、屋上緑化は、ヒートアイランド現象の緩和など大都市域の環境改善対策として盛んに行われるようになってきたが、最近は壁面緑化が注目されてきた。都市における壁面の面積は、屋上よりずっと大きいと言われており、壁面も含めた建物全体の緑化によって、冷房負荷を軽減し、廃熱の増大を抑え、また壁面の劣化を抑制する効果などが期待できる。
従来、壁面緑化の方法は、壁面に取り付けたワイヤーなどに植物を登らせる簡易なものや、壁面に鉄骨で組んだフレームにセダムやツタなどの植物を植栽した緑化パネルなどを取り付けるという大がかりなものであった。前者は壁面全体が緑化されるまで何年もかかる上に、巻きつるタイプの草木に限定されてしまう。また後者は、施工コストが1m2当り10万円以上必要なうえ、メンテナンスも難しいという難点があった。
今回開発した壁面緑化技術は、実用化第一号を技術研究所新本館に採用中である。昨年9月末に植栽したツタ類は順調に成長し、現在は高さ約3〜4mの壁面を覆っている。
植物はツタ類のなかでも成長の早い樹種を選定、システムの構成をシンプルにして、設計価格が「下垂型」は7万円/m2〜、「登ハン型」が8万円/m2〜と、従来に比べて30〜50%低減した。
また、延伸防止金物をネットのサイドに設置することで、緑化域の外へツタ類が伸長するのを抑えることができ、剪定等の手間も減る。また、散水や施肥はプランター部分だけでよく、メンテナンスが容易になっている。
都市と自然の調和を実現する今回の外装システムは、既存商品よりも効率よく壁面緑化ができるため、エコサービスとしての社会的ニーズも高いと思われる。今後、製品の持つ様々なメリットを、ターゲットとする顧客層に対し、効果的にプロモーションをしつつ、販売網の構築も、流通量拡大に必要不可欠な要素となってくる。ビルのオーナーをはじめ、個人の住宅所有者、あるいは建築を検討する事業者・個人に対するプロモーションが必要となってきそうだ。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:53| 流通