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2004年07月16日

【知識】亀田総合病院と日立マクセルなど3社、患者データ電子化システムの試験運用を開始

医療法人 鉄蕉会 亀田総合病院、コスダック、日立マクセルの3社は、アノト方式デジタルペン(以下デジタルペン)を活用した、医療現場での患者データの電子化システムの運用を7月中旬より試験的に実施する。
近年、日本国内における医療機関の情報公開が求められている中、電子カルテ等に見られる医療情報の電子化が積極的に進められている。この様な背景のもと、現在、医療現場スタッフがカルテ等に診察した内容の電子化は、文字をキーボードで打ち込みパソコンへデータ入力する手段が取られているが、入力する作業は通常業務への負担が大きく、この負担を軽減することが、医療機関での電子化をさらに進めていく上での重大な課題となっている。
今回、試験的に実施する運用システムは、デジタルペンと専用紙を使った入院患者の回診(体調確認)および癌性疼痛に関する患者自身による自己評価記録に関する電子化になる。必要な診察記入欄が設けられた専用紙にデジタルペンで診察内容を書き、診察終了後にデジタルペンをパソコンにつなぐだけで、書いた手書き情報がそのままパソコンに送信され、改めて入力し直す必要がなく電子化を行うことができる。また、入院患者のベッドサイドやご自宅に電子ペンと自己評価用紙を配置し、患者自身が記入したデータをパソコンに取り込むことにより、リアルタイムに在宅患者などの疼痛の状況を把握でき、よりきめ細かな管理が可能となる。
これまでにもタブレットPCやPDAを利用して、回診データや緊急呼出し時の対処方法の電子化をする方式があったが、機器操作の誤りやシステムトラブルを引き起こす恐れがあるほか、患者との対話を重視した医療活動が求められる現場では、電子機器を利用することによって自然なコミュニケーションが取れず、患者への心理的嫌悪感を招く恐れがあった。このシステムを使用することにより、パソコンを使用することが困難な高齢者でも問題なく電子化されたデータを入力することが可能となり、患者参加型の医療がより行いやすくなる。
医者と患者両方の手間を省くことができるだけでなく、手書きという手段でお互いの意思を正確に伝える事ができるため、細かいコミュニケーションが可能になる。また医療現場としても患者の細やかなニーズを反映した医療サービスを展開していくこともやり易くなってくるため、医療サイドと患者サイド両方に多彩なメリットをもたらすロジスティクス的な運用システムであると捉えられる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:34| 知識