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2004年09月02日

【知識】シャープ、家電製品の解体を容易にする「易解体(いかいたい)ネジ」を開発

シャープはこのたび、NECトーキン、東海大学、ユニオン精密と共同で、形状記憶合金ワッシャと金属製ネジを組み合わせた「易解体ネジ」を開発した。新開発のネジは加熱するだけで締結部分がはずれるので、家電製品に採用した場合、リサイクル時の解体効率が高まり再資源化率の向上も図れる。
シャープは今後、このネジの自社製品への採用をすすめるとともに、他メーカーへも積極的に採用を呼びかけていく。
本件は、2000年4月より経済産業省および製造科学技術センターからの委託テーマとして、NECトーキンと連名で受託し開発に取り組んできた。リサイクルコストの低減を目指し、廃家電の解体効率を飛躍的に向上させる新技術として材質や形状の工夫改善を重ね、2003年4月にはあらたに東海大学とユニオン精密をメンバーに加え、全く新しい発想の形状記憶合金ワッシャを使用する方式を開発することに成功した。
今回開発した「易解体ネジ」は、2005年度上期中をメドに通信機器や液晶テレビなどのシャープ製品に採用する計画。今後は、形状記憶合金ワッシャのさらなる重量削減や量産効果によるコストダウンに取り組む。
中国をはじめとするアジア市場を中心に、各種原材料需要が伸張する中、日本国内においては原材料の供給不足も懸念され始めている。原料調達方法の一環として、リサイクル市場も注目されるが、コストの低下が課題の一つでもある。今回のリサイクルコスト削減に寄与する新しい技術が、不特定多数のメーカーで採用が進んでくると、リサイクル市場全体としての効率化につながると考えられ、異業種間への利用促進が期待される。新たに採用を検討するメーカーとしても、環境負荷低減という側面もふまえたロジスティクス的な視点による導入検討が期待される。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:48| 知識