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2004年09月09日

【知識】第一製薬、10月1日よりグローバル研究開発構想の実現に向けた組織体制へ

第一製薬は、研究開発型国際製薬企業実現のため、本年10月1日より「研究開発本部」体制を敷き、グローバル研究開発競争力を一層強化する。これにより、(1)グローバルな思考と行動(2)研究開発の生産性向上(3)ビジネスとサイエンスの融合を一貫して図り、戦略的かつスピーディーな意思決定による自社創製新薬の早期上市とグローバルな事業展開を目指す。
「研究開発本部」体制は、従来型の研究開発プロセスを刷新し、本年4月に営業を開始した開発会社ダイイチ・メディカル・リサーチ・インク(DMR,米国)の本格稼動に伴い、開拓研究・創薬研究・開発の一体化による成果獲得の効率化・極大化を図る。「研究開発本部」内には、DMRの機能を最大発揮するため、DMRの指揮下における臨床探索研究の推進監理、各プロジェクトの進捗フォローを担う「グローバルブリッジング部」を設置し、研究開発課題を戦略的かつ強力に推進する。
また、これまで、研究部門と開発部門に分散していた企画・業務機能をそれぞれ「研究開発戦略部」「研究開発業務部」として集約統合し、研究開発資源の戦略的投入、製品事業性評価に基づくスピーディーな意思決定、研究開発情報の一元管理等の実践により研究開発の生産性向上を目指すとともに、グローバル開発申請支援の強化および統計解析機能の強化を目的に薬事統計部を再編し、「開発支援センター」として設置する。
さらに、事業戦略に準拠した企業提携、ならびに導出入業務をより戦略的に展開するため、研究開発戦略部内にあった渉外機能を分離・独立して、本社内に「ライセンス部」として新設する。
一方、来年4月施行の改正薬事法への対応、ならびに信頼性保証機能の独立性向上、薬事およびその渉外機能の集約強化を目的として、「薬事部」「薬事監査部」「品質保証部」「安全性管理部」「製品情報管理部」「市販後調査部」にて構成される「学術・信頼性保証部門」を新設、これにより、薬事行政の将来動向を見据えた研究開発データの信頼性向上、製商品の品質維持向上、および、より迅速かつ的確な適正使用情報の提供を目指す。
日本国内で売上実績のある薬品を国外で登用する際、またその逆の場合に、法的な問題など様々な障壁が出てくることも考えられる。今回紹介した事例では国内外向けの薬剤開発という目的とそのための情報共有を得ることが可能な研究開発体制が整っている点から、配合成分を変更した別薬品の開発などもこれまでよりスムーズに行われることなども考えられ、R&D部門におけるグローバルなロジスティクス体制が整ったと言える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:40| 知識