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2004年09月22日

【知識】エイベックス、「コピーコントロールCD」の採用を弾力化

エイベックスは、2004年9月22日に発売するCDより、コピーコントロール機能を施すか否かについて、商品ごとに弾力的に決定していくこととした。これは、著作権侵害行為に対する啓発活動が一定の成果を収められたことや、HDDミュージックプレーヤーなど新しい音楽の楽しみ方の広がりに対応していくため。
エイベックスは日本の音楽業界では初となる2002年3月より、コピーコントロールCD(以下、CCCD)を発売してきた。CCCDの導入を決定した背景として、CD−Rを利用した私的複製の範疇を越える過度なコピーが広がっていたことや、インターネットを活用した違法な楽曲ファイル交換やダウンロードが蔓延していたこと、またこれらの行為が音楽創造のサイクルを分断し、音楽文化を破壊しかねない不正、違法行為であるということが、一般ユーザーの認識として希薄であったことなどである。
このような状況下、エイベックスは、著作権の重要性を啓発し、悪意なく行われているカジュアルコピーを防ぐことを目的にCCCDを発売してきた。その結果、社団法人日本レコード協会及び社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会が2004年4月に共同で実施した「ファイル交換ソフトの利用実態調査」によると、音楽ファイルに関してはファイル交換ソフトを現在利用しているユーザー数は漸減傾向にあることがわかった。これらの状況を総合的に評価すると、CCCDを発売するに至った当初目的に対し、一定の成果をあげることができたと判断している。
さらに、iPodに代表されるようなHDDミュージックプレーヤーのさらなる普及を予想しており、新しい音楽の楽しみ方に対応することも理由の一つ。これまで発売してきたCCCDではパソコンへの取り込みができなかったため、HDDミュージックプレーヤーでの再生には対応できなかった。
また、エイベックスは、著作権保護を図りながらパソコンへの音楽取り込み、HDDミュージックプレーヤーへの転送、CD−Rへのコピーを可能にする新しいDRM(Digital Rights Management)技術が開発されれば、新技術の導入も積極的に検討していく考え。今後も、著作権侵害及びこれに類する行為には、法的手段を含め断固とした対応を行っていく方針である。
今後コピーコントロールを施すか否かの判断基準として、不正コピーされやすいアーティストやジャンルなどを正確に把握することと同時に、今後増加していくHDDプレーヤーにおけるコンテンツの市場にも配慮が必要になる。また既存の販売済みのCDに対する新規製造などに関しても同様の判断が必要になってくることも考えられ、音楽著作物に関する商品の供給方法は、技術的な進歩とその普及、「消費の定義」の変化に対応したビジネスモデルの構築方法が必要となり、現在は、著作物の制作者、販売会社、既存の小売店、そしてネットを中心とした新しい技術開発者を含めたロジスティクスを構築している時期と言える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:30| 知識