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2004年11月12日

【知識】日本製紙、石巻工場に木くず廃材を主な燃料とした「バイオマスボイラー」を設置

日本製紙は、石巻工場に木くず廃材を主な燃料とした流動層ボイラーの設置を決定した。設備投資額は約53億円、2005年4月に着工し、2006年10月の完成を予定している。
この設備は、経済産業省による2004年度新エネルギー事業者支援対策事業の「バイオマス発電」に認定されたもので、重油の使用を大幅に削減することにより、化石燃料由来の二酸化炭素排出量を、石巻工場の10%、グループ全体の2%に相当する年間12万トン削減できる見込みであるという。 
石巻工場で製造工程や発電に使用する蒸気は、主に石炭ボイラーや黒液を燃料とする回収ボイラーで発生させているが、一部重油ボイラーも使用している。今回、重油ボイラーをバイオマスボイラーに切り替えることにより、年間約6万6千キロリットル使用していた重油を補助燃料として使用するだけとなり、使用量が約83%削減される。
新設するバイオマスボイラーでは、主な燃料として木くず廃材を年間約15万トン使用し、廃棄物処分の社会的ニーズに応えるとともに、製紙スラッジや外部委託処理の可燃物を今以上に燃焼させることが可能となり、最終廃棄物を極小化することができる。
世界的な環境問題への取組が進む中、中国をはじめとした発展途上国ではエネルギー不足も懸念されている。今回の「バイオマスボイラー」はリサイクルと二酸化炭素対策の二側面で強いメリットを持っているため、環境保護型の電力供給を可能とするインフラともいえる。設備投資額に対してコスト面、あるいは環境面においてのメリットを総合的に判断した上での導入が期待される。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:38| 知識