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2005年01月19日

【知識】松下、JALグループ、ANAグループが虹彩認証など利用の「e-Passport連携実証実験」に参加

松下電器産業 パナソニック システムソリューションズ社は、JALグループとともに、2005年2月上旬〜3月下旬に関係府省連携(※1)にて行われる「e-Passport連携実証実験」に参加する。
国土交通省およびJALグループが進めている、より安全かつ迅速な空港手続きの実現へ向けたこの実験において、同社は虹彩認証技術等のバイオメトリクス技術を利用したシステムの構築を担当。搭乗者の確実な本人確認を行うとともに、空港手続きにおける待ち時間の短縮を目指す。なお、あわせて外務省が外交旅券を対象に発行する顔画像を登録した実験用IC旅券を活用した実証実験にも協力する。
この実験では、利用者が予め虹彩・顔データを登録した実験用SPT(※2)カードを利用して(1)自動チェックイン、(2)保安検査といった搭乗手続きにおいて、虹彩・顔のバイオメトリクス認証で本人確認を実施、迅速な手続きを実現する。また、出入国審査においてもこの実験で使用するICカードを利用することが可能。
まず自動チェックインでは、実験用SPTカードをチェックイン端末にかざすことで顔認証による本人確認を行い、本人確認ができた場合に通常の自動チェックイン手続きに入ることが可能となる。これによりセキュアかつ迅速なチェックイン手続きが可能となる。
次に保安検査では、チェックインと同様に実験用SPTカードをセキュリティ端末にかざし、入退出システム等で実績のある高精度の同社虹彩認証システムを利用し、よりセキュアに本人確認を行う。保安検査ではチェックイン手続きを正常に実施したかの確認も合わせて行い、成りすましの防止とともに不正な手続きをチェックする。
上記と並行して顔データが入った実験用IC旅券のデータを利用し、チェックイン、保安検査において顔認証による本人確認を行うことができる。
また ANAグループもこの「e−Passport 連携実証実験」に参画を表明している。 2003年12月から、成田空港の旅客ターミナルにおいて、『バイオメトリクス機能搭載の自動チェックイン機』と搭乗口における『顔認証による搭乗改札方式』という2つの実験を含む「e−チェックイン」実証実験を国土交通省、成田国際空港・NTTデータと共に実施してきた。ANAグループでは今回の実験で、一昨年度同様、安全で迅速な国際線渡航の実現にむけて、国際空港の高度IT化を先導する「e−エアポート」構想の一環となる実験であり、ICカード(実験用SPTカード)を旅客IDとして活用し、搭乗手続きに加え、保安検査、出国審査においてもその活用についての実験を行うなど、旅客手続き全般にわたり実施する。
このシステムの実証実験は、空港内での手続き簡略化、待ち時間の短縮、不法な出入国を防ぐなど、関係省庁、航空事業者、システム開発担当、それぞれ個々の目的・目標がある。利用者の利便性向上も含め、関係者それぞれの目的を達成するためのシステム構築へ向けて、ロジスティクス的な発想のもと、様々な調整が必要となってきそうだ。

※1. 関係府省:内閣官房、国土交通省、法務省、外務省、経済産業省
※2. Simplifying Passenger Travel
   (国際空港における旅客手続きをITを用いて簡略化する取組み)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:48| 知識