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2005年01月20日

【知識】ヤマハ発動機、静岡の久能工業団地内に部品供給センターを建設

ヤマハ発動機は、新中期経営計画“NEXT50−PhaseII”の基本戦略の1つとして、現在本社内にある部品供給センターを移転し、静岡県袋井市の久能工業団地内に新たに部品供給センターを建設することを決定した。なお新部品供給センターは、2005年2月に着工し、2006年5月の本格稼動を予定している。
同社の部品事業は、現在、二輪車や船外機・特機(四輪バギー・スノーモビルなど)の補修用部品に加え、オイル・アクセサリーなどの用品を扱っており、その点数は約30万点におよぶ。現在の供給体制は、本社(静岡県磐田市)の部品供給センターを核に、国内では北海道、埼玉、滋賀の部品供給センターを経由し、約15,000店の販売店向けに供給を行い、また海外に向けては、欧州・米州・アジアの部品統括センターおよび各国の販売会社と代理店に供給している。なお、本社部品供給センターから国内外への出荷件数は、1日あたり約15,000件。
今回移転・建設する新部品供給センターは、名称を『グローバル ディストリビューション センター』とし、国内における4ヶ所の部品供給機能を1ヶ所に統合するとともに、世界6地域の部品統括センターを核としたグローバルなSCMを実現するための中核センターとしての機能を担う。
同センターは、部品調達からユーザーへの配送までのサプライチェーン全体の最適化を図る中での業務プロセス改革をコンセプトとし、高頻度入荷への対応、出荷量の変動に柔軟に対応するための新たな出庫方式の採用や包装・梱包業務の改革などを実施する。
同センターの完成により、国内においては、供給サービスが向上され、大幅な生産性向上と物流コストの削減が図れるとしている。
また、同センター建設と併せて進めている全世界6部品統括センター設置による最適な在庫配置や流通情報ネットワーク構築を目指した中長期SCM計画との連動により、商品在庫や 納期など全世界のユーザーが必要とするさまざまな情報をタイムリーに提供するグローバル構想が完成し、サービスの更なる向上を実現する予定。
従来の部品供給機能を1カ所に集約は、販売会社や代理店からの発注方法や在庫確認等、業務フローの再構築も必要不可欠となる。統合する部品供給センター内の在庫情報を、販売会社、代理店、あるいは生産部門や海外部品センターがリアルタイムで確認できる体制が構築できれば、過剰な発注を防ぐほか、市場のニーズにすばやく対応した生産体制構築にもつながり、販売会社や代理店における物流業務に関連した業務負担軽減、そして財務面でキャッシュフローを高めることにもつながる。こうした商品供給部門の統合による効果は、物流面だけでなく、経営面そのものに与える影響が大きい。
国際レベルでのSCM実現へ向け、同様の部品供給センターを海外の主要拠点に増設することにより、エリアごとに生産から販売までの一連の流通ルートを独自開拓するといったことも可能と思われる。グローバルな事業展開にあたり、主要地域に最適な商品供給を実現する在庫拠点を持つことにより全社的な流通網が柔軟性を増し、ロジスティクス的な事業展開を行いやすくなると思われる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:44| 知識