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2005年07月14日

【知識】カゴメ、中国で現地食品会社などと合弁会社を設立

カゴメは、中国最大手の食品事業グループである康師傅控股有限公司の100%子会社である康師傅飲品有限公司(本社:天津市、以下康師傅)、ならびに伊藤忠商事(以下伊藤忠)と中国における『可果美』(カゴメ)ブランドによる野菜・野菜果実飲料の生産販売を行う合弁会社を設立することで合意し、7月11日合弁契約を締結した。3社の合弁による新会社への出資比率は、カゴメ61%、康師傅29%、伊藤忠10%であり、資本金は9百万米ドルとなる見込み。
同社は中国の主要都市、上海は年間所得5万元以上の野菜・野菜果実飲料の有効購買人口が多く、小売業の組織化率も進んでおり、最も市場性が高い都市と考える。その上海においては、食生活の急速な北米化による野菜・穀物摂取量の減少、がん・脳疾患などの生活習慣病、肥満の増加などから健康維持・増進に対する関心が高まってきている。飲料市場においても有糖高カロリー飲料の敬遠、無糖飲料に対する嗜好性の高まりなど、健康市場が形成されつつあると言える。カゴメが提供する「野菜飲料」「野菜果実飲料」は日本と同様「日々の食生活を通じて自分の健康は自分で守る」という意識や行動をサポートする飲料として中国市場で受け入れられる可能性が高いと判断された。
カゴメは、日本で培った野菜・野菜果実飲料に関する経営資源やノウハウを投入し、中国国内最大級の食品事業を展開する康師傅、ならびに原料調達、物流機能を有する伊藤忠とのパートナーシップで、上海のチルド温度帯の野菜・野菜果実飲料市場より参入する。このため、2006年春の商品発売を目指して、上海市内での営業拠点の開発及び、康師傅の子会社である杭州味全食品有限公司内でのチルド飲料工場建設に着手した。
また、ドライ温度帯での『可果美』ブランド野菜・野菜果実飲料については、中国有数の飲料事業会社である、康師傅グループの康師傅飲品控股有限公司に商品の製造・販売を委託して、展開する予定。
日本国内で培ってきた野菜・野菜果実飲料の製造およびマーケティングノウハウを活かし、今後市場拡大が期待される中国において、拡販活動を行う上で、現地企業との協業と、調達・物流網の確立など、中国ならではの状況に応じた最適な仕組み作りが求められる。新たな市場でのシェア拡大を目的とした社内、社外とを含めた最適手法の選択過程にロジスティクス戦略が伺える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:41| 知識