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2005年10月18日

【流通】出光テクノファインの卵殻膜加工素材をビッグジョン採用

――素材ブランドの浸透と商品化――

出光興産の子会社である出光テクノファインは、新たにデニム製品への卵殻膜耐久付与加工技術を確立し、ビッグジョンのジーンズに採用が決定した。
なお、ビッグジョンのレディースジーンズ・ブランド「ブラッパーズ」からこの素材を使用した新美脚ジーンズが、本年9月より全国百貨店、専門店で販売されている。
出光テクノファインは、従来から天然シルクを主原料としたタンパク質パウダーを各種プラスチックに配合し、自動車座席シート用レザー・衣料用テキスタイル・プラスチック用ペイント・インキ(インクジェット受理性コーティング剤)・繊維処理剤等へ開発・販売を行なっている。
また、最近では機能性原料のバリエーションを増やすことを目的に、
キユーピーより卵殻膜原料(卵の殻の内側の薄膜)の供給を受け、出光テクノファインにてパウダー化、繊維加工用の製剤化を行い、綿紡績大手の倉敷紡績および伊藤忠商事と共同で卵殻膜加工素材「キユーピッドのたんじょう」の開発・販売を行なっている。
卵殻膜は人の肌にやさしいアミノ酸成分を豊富にバランスよく含んでおり、肌のみずみずしさや肌のハリに関係するIII型コラーゲンの産生促進作用のあることが認められている。「キユーピッドのたんじょう」は、卵殻膜加工された繊維製品であることを示すと共に、卵から生まれた新素材を分りやすくイメージできるマークとして好評。既に
ロフテーの抱き枕やピローケースなどにも採用されており、今回の新たな用途展開によって、卵殻膜加工素材の用途が広がることになる。
なお、「キユーピッドのたんじょう」はキユーピーが商標権、伊藤忠商事が販売権を持ち、採用されたユーザーとライセンス契約を結ぶビジネス展開を行っている。今後、採用ユーザーを10〜20社程度まで拡大し、コラボレーション4社、採用ユーザーと「キユーピッドのたんじょう」会(仮称)を設立し、情報交換や共同で「キユーピッドのたんじょう」の販促活動等を行うことによる販売の相乗効果を図っていく。
機能性原料の拡大を目的とした加工素材の開発とブランド化により、素材の高付加価値化が期待される。原材料、部品など、消費者には直接目に見えない部分でのブランド化は、完成品流通市場に大きな影響を与えるとともに、素材、部品メーカーのビジネススタイルにも変化が生まれる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 15:06| 流通