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2005年08月17日

【知識】伊藤ハム、豪州子会社により中国・北京で牛肉の販売開始

伊藤ハムの豪州における子会社であるロックデールビーフ社(所在地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州リートン郡)は、昨年日系資本の工場としては初めて中国政府による牛肉輸入認定工場となり、今年7月より中国・北京において牛肉の販売を開始した。
平成13年にWTOに加盟した中国政府は、輸入制限をしていた豪州産牛肉と羊肉の輸入再開を決定し、昨年には中国政府の検疫官が豪州の食肉工場を視察、審査し、認可工場を選定した。現在は35ヶ所の工場が牛肉・羊肉の認定工場となっているが、ロックデールビーフ社の工場は、日系資本としては初めて認定された。
ロックデールビーフ社は平成元年6月に伊藤ハムの直営として設立され、豪州における大規模フィードロットとして肉牛を生産している。ロックデールビーフ社は、当面販売ターゲットを富裕層に絞り、市場の反応の見ながら販売を拡大していく予定であり、5年後年商10億円を目標としている。また、既に韓国など他のアジア諸国にも販売しており、今回の販売を端緒にさらに日本以外の国への販売を拡大し、現在は売上のうち80〜90%が日本向けで占めているが、将来的には日本向けを50%とし、豪州国内向けを20%に、そして中国など第3国向けを30%にすることを目標にしている。
また、ロックデールビーフ社は6月13日に、農林水産大臣に登録認定機関として登録された「アイシーエス日本」より、特定JASの認証を取得した。特定JAS牛の出荷頭数は、当初は月間200頭と全出荷頭数の約3%ですが、その後は市場の需要にあわせて増やし、2年後には月間400頭を目指す。今回の豪州における認証取得で、伊藤ハムとしてのオセアニア地区での特定JAS牛の出荷頭数は月間400頭と日本最大規模となる。
ロックデールビーフ社が主力販売エリアを中国・豪州へシフトしていくにあたり、既存の日本向け流通網にも配慮しながら、海外現地での販売チャネル開拓や輸送ルートの設定、中継拠点の設立や人員の増員など、新規流通網を確立するフローにおいて、各地の拠点を横断したロジスティクス構築が重要になってくると思われる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 12:01| 知識