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2005年08月26日

【知識】大阪ガスとヤマトシステム開発ガスメーターのSCM構築

大阪ガスとヤマトシステム開発は、ガスメーターのSCMに取り組む。新たなメーター物流システムの共同開発により、在庫削減、コストダウン、生産性の向上を図る。
大阪ガスは近畿2府4県の約670万戸に都市ガスを供給しており、ガスメーターの取付・取替件数は年間約60〜90万件、日々2,000〜5,000件の工事が各地域で行われている。メーターは約180種類で、受発注は人手で行われていることから、大阪ガスや工事会社、メーターメーカーなど、約330拠点全体で約15万台のガスメーターを在庫として抱えているのが現状。
今回、ヤマトシステム開発は、メーターの流通状況を個別に把握するシステムを構築した。ガス設備部材における個別管理システムの導入は、ガス業界初の取り組み。また、大阪ガスは、POS(Point Of Sales)方式の考え方を活用し、日々の取替情報から発注量、在庫量のコントロールが可能となるPGR(Point of Gas meter Replacement)システムを独自に開発した。ヤマトシステム開発の個別管理システムと大阪ガスのPGRシステムを組み合わせ、さらにヤマトシステム開発が配送の一括管理を行うことで、在庫削減と欠品抑制を両立し、トレーシング機能を併せ持つ物流システムを構築した。これにより、平成15年に約15万台あったメーター在庫は約6万台となり、約11億円分の在庫を削減することが可能となった。
メーカー、工事会社、大阪ガスがそれぞれ所有していた在庫の可視化と受発注フローの再構築により、メーターの「無駄な」在庫削減と、欠品の抑制により、サプライチェーン強化と最適在庫の確保など、ロジスティクス的判断が物流情報から即座に可能となってくる。今回のシステム開発により、他のガス会社における同様の取り組みが進むとも考えられる。
今までは、メーターの受発注は需給管理システムと工事管理システムの2つのシステムで行われており、需給管理システムでメーターの需給・配送管理を、工事管理システムでメーターの個別管理を行っていた。これを1つのシステムに統合させたものがPGRシステム(Point of Gas meter Replacement)である。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:48| 知識