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2005年08月31日

【知識】ヤンセンファーマ、退職者を在宅勤務従事者として雇用し「在宅コールセンター」を開設

米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品事業を担う日本法人、ヤンセンファーマは、今回、自社製品に関する顧客からの問合せ対応や営業部隊の支援等を担う社内コールセンターに在宅での勤務従事者を採用、「在宅コールセンター」として稼動をスタートした。
この「在宅コールセンター」は、同社と嘱託雇用契約を結んだホームワーカー宅と本社オフィスの間にセキュアな通信ネットワークを構築することで成立している。ホームワーカーは社内LANに接続されたPCおよび外部からの電話着信をオフィスワーカーとの間で均等配分することのできる内線電話機能等を活用することで、自宅にいながらにして、オフィスで働くのと遜色ない就業環境を得ることができる。
医薬品の適正使用促進を主たる使命とするコールセンターにおいては、担当者のスキル要件として、患者さんや医師、薬剤師はもとより、自社のMR(医薬情報担当者)から寄せられる日々のくすり相談に対し、スピーディー且つ的確に対処することが求められている。すなわち、担当者の高度な専門性や業務練達レベル、情報集約の度合いが顧客満足度に直結すると言え、スキルレベルの高い担当者の確保と定着は同社にとって重要な経営課題の一つであるといえる。
ヤンセンファーマでは、今回の「在宅コールセンター」の開設意義を、働く人、とりわけ女性のライフステージの変化に対応した柔軟な就業形態の提案とも捉えており、夫の転勤や老親の介護などで一旦職場を離れた経験者を再雇用する受け皿としての役割も想定している。また、同社では、今後、コールセンター担当者やMRのOBまたはOGで在宅勤務を希望する人については、「在宅コールセンター」の要員プールとして登録を促し、採用の後にはスキルレベルの維持・向上のための充実した研修機会を提供するとともに、担当者を過重なストレスから守り、長期にわたる定着を担保するため、本社スタッフによる定期的なメンタルケアを取り入れるなどの就業支援策も用意している。
豊富な知識を必要とするコールセンター事業構築において、退職者に対する在宅コールセンターの実現にあたり、ネットワークの構築やセキュリティの確保、業務フローの設計、就業管理体制の構築など、外部アウトソーシングや専用施設の開設とは異なり、投資金額やサービスレベルの維持・向上など、複数要素から最適な判断に基づくものと考えられる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:42| 知識