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2006年05月22日

【知識】北越製紙、新潟工場に塗工紙生産設備増設

北越製紙は長期的な視点に立ち、品質とコストにおける国際競争力を一層強化するために、新潟工場に4基目のオンコーターマシンによる塗工紙生産設備を設置することを決定した。
同社は、国内の紙市場における従来からの北欧並びに北米からの輸入紙に加え、最近では中国をはじめとしたアジア地域の生産能力の拡大により、印刷情報用紙全般に亘り、国内市場とアジア市場の一体化が急速に増す様相を呈しているなか、高品質の印刷情報用紙(以下:塗工紙)を安定かつ迅速に提供することにより海外メーカーと競争可能な企業基盤を確立することが肝要であると考える。
同社は、従来から国内外の顧客要望に応えるカスタマーオリエンテッドを基調とした営業販売を行ってきた。この間、情報伝達記録媒体としての紙は、一層のカラービジュアル化とともに軽量化が進みながらも、塗工紙全体の国内需要は増加している。これまで同社は、主に塗工紙の生産販売に傾注してきたが、顧客需要にかなうだけの生産能力が不足してきた。そのため現状不足している塗工紙の生産能力を増強し、今後の長期的な品質とコストにおける国際競争力の強化も考慮して、優れた品質と省資源・省エネルギー生産が可能な最新技術を駆使した新塗工抄紙機の設置が必要と判断した。
今回の計画において、国内市場に及ぼす影響を考慮し、国内外企業に向けたOEM(相手先ブランドによる製造)並びに国内外の企業の垣根を超えたスクラップ&ビルドを進めるとともに、既存取引のある東南アジア・オセアニア・北米市場に加え新規の海外ユーザーも開拓する予定。あわせて、新抄紙機の生産能力を段階的に機能させる原料工程・仕上げ工程設備の導入を図ることにより、受注に即した生産販売を行っていく。新設備で製造する紙は、管理された植林木チップを使用し、また既設8号回収ボイラー並びに現在建設中の製紙汚泥焼却炉による両バイオマスエネルギーを活用することで環境対策も施す。
受注拡大に合わせた段階的な設備投資計画にあわせ、環境負荷の少ないエネルギーの活用や、既存取引先または新規顧客に対する営業面でも様々な戦略が考案されている。長期的な成長戦略のもとに横断的なロジスティクス構築が進んでいることが伺える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:24| 知識