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2006年06月05日

【流通】大塚商会など、琵琶湖の葦などを使用した紙を開発

――様々な分野での商品化が望まれる新素材の紙――

伴ピーアールと大塚商会は、北越製紙とのコラボレーションにより、琵琶湖の葦※20%・植林木75%・里山材5%を使用した紙「レイクパピルス20」を開発、6月1日より販売を開始した。
日本全国にある湖沼や河川に群生する葦は、汚れの原因となるリンや窒素を養分とし成長する。また光合成により二酸化炭素(Co2)を吸収し、酸素を放出する優れた植物。しかし冬には枯れ、そのまま放置するとやがて倒れて吸収したリンや窒素を再び湖に戻す。葦を刈ることによって水質悪化を抑え、さらに翌年の春に新芽を出しやすくする。以前は刈り取った葦を建材や葦簀(ヨシズ)に使用していたが、社会環境の変化などにより、茅葺き材などの使用が禁止され、有効利用が進まなかった。
伴ピーアールは、7年前より琵琶湖の枯れ葦の活用に取り組みカラー印刷も可能なビジネス用紙を開発した。環境問題を人と人との関係と位置づけ、水環境のコミュニケーションツールとして葦再生紙を名刺用に使用した。名刺を使う一人一人がPRパーソンとなり、現在までに琵琶湖・淀川流域の企業や自治体・一般市民、約2万人ほどのユーザーに普及している。
しかし、より多くの葦を活用し、持続可能な環境循環型社会を取り戻すにはエリアが限られているため、環境問題に積極的に取り組んでいる大塚商会と日本有数の環境および技術力に優れた北越製紙がサポートに名乗りを上げた。
今回販売する「レイクパピルス20」は、葦の含有率を従来品の倍の20%として大塚商会および伴ピーアールより提供する。北越製紙の製紙技術と植林木の白さにより、葦の含有率を上げても白い色を保ちビジネス用紙として使用が可能となった。
葦は全国の湖沼や河川に繁殖しているため、全国各地からの材料入手や生産キャパ拡大による原紙の量産も可能と思われる。原紙改良および生産力拡大によってビジネス用品、文房具など今後この紙がどういった形で商品化されていくかも注目されそうだ。

※葦:水辺に生えるイネ科の多年草、アシもヨシも同義語

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 12:00| 流通