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2006年07月25日

【知識】日本IBM、東映アニメーションのネットワークシステム構築

東映アニメーションと日本IBM(以下IBM)は、東映アニメーションにおいて、PCのユーザー情報を基にシステムが接続可能な領域を自動判別することで、セキュリティーを強化した新ネットワークシステムを構築した。また同時に、各部門や機能ごとに分散していたPCサーバー等18台を、IBM(R)の統合アプリケーションサーバー「IBM eServer TMi5」1台に統合し、運用の最適化を行った。
東映アニメーションでは、コンテンツのデジタル化の進展、DVD、ライセンス事業等のビジネスの多様化、社外クリエイターとの協業作業の増加など、ビジネス環境の変化に対応した新しいIT基盤の構築が急務となっていた。特にコンテンツやデータの管理上、社内システムへのアクセス管理等のセキュリティー強化が重要になっており、従来のシステムでは各部門ごとに必要なネットワークを随時追加していたため、全社的な一元管理が難しい状況だった。
新システムでは、使用するユーザーごとの認証情報を基に、システム側でどの領域まで接続可能かを、認証VLAN技術を活用して自動的に判別する。アクセスできる領域を明確化したことで、取引先との密な連携による満足度向上を図るとともに、セキュリティーの強化を実現させる。さらに、ファイアウォールやVPN機能等を仮想化、統合化することにより構成の複雑性を解消し、運用の効率化が可能となる。これらの機能により、さまざまな情報セキュリティーのリスクのうち、PCや紙の資料の盗難などを除いた約6割以上が削減されるものと見込んでいる。
また東映アニメーションでは、これまで各製作部門毎に独自の媒体によって保存していた完成作品の素材データについても、IBMの高性能ストレージ「IBM Total Storage(R)DS8100」1台に統合する予定。これにより、同社が保有する約9100話のアニメーション作品の作品情報とともに完成品の素材データが一元的に保存することが可能となり、作品の二次的利用の際のデータの検索や抽出の効率化が図れることになる。
新システム導入によるセキュリティ面の強化、システム運用効率の向上を目指すにあたり、仕様決定から導入工程の決定、システム移管時における社内外連携体制など、両社と社外クリエイターなどを巻き込んだ横断的な取組みが必要だったと思われる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:04| 知識