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2006年12月05日

【知識】NECエレクトロニクス、自動車向け半導体事業を強化

NECエレクトロニクスは、自動車向け半導体事業強化の一環として、生産子会社の九州日本電気(以下NEC九州)および同NECエレクトロニクス・アメリカのローズビル工場を増強する。これにより、同社では、二つの工場から同一製品を供給する体制が整うことになり、供給能力の向上により安定した製品供給が可能となるため、ユーザーサービスを大幅に向上させることが可能となる。
今回の増強は、生産および設計の両面を強化することにより、同社が世界に誇る自動車向け半導体事業でさらに確固たる地位を築くことを目的に行われるもの。
自動車の電子化の進展に伴い、車載半導体の市場は2年前の約1兆6千億円から本年度は約1兆8千億円へと成長しており、今後も年率4%程度の成長が続くと予想されている。
このような状況の下、NECエレクトロニクスは2002年ごろから自動車向け半導体事業の将来性を認識し、経営の柱の一つと位置づけて、32ビットや8ビットのマイコンを始めとするパワーデバイスに加え、自動車の安全に大きく貢献する画像認識プロセッサに代表されるシステムLSIなどを市場に提供するなど、積極的な事業を展開してきた。その結果、現在では関連製品の年間売り上げが昨年度約1,300億円に達する世界でも屈指の企業に成長した。同社では今回、この技術を駆使して生産ラインを増強することで、NEC九州における世界有数の自動車向け半導体の生産拠点としての立場を確固たるものにできると考えている。
また、同社は、米国NECエレクトロニクス・アメリカのローズビル工場にNEC九州と同様の8インチウェハ対応ラインを増設することにした。これにより、従来NEC九州からの単独供給だった最先端プロセスの車載マイコンについて、北米にも生産拠点ができるため、生産基地の二極化、いわゆる「マルチファブ化」が実現することになり、(1)グローバルに生産活動を展開するユーザーは北米と日本の2拠点からワールドワイドに安定した製品供給を受けられること、(2)ユーザーの増産要求などに一層柔軟に対応できること、などのサービスの向上が可能になる。また、マルチファブ化は、(3)為替変動による業績への影響を低減できること、(4)工場の稼働状況などの変化により生産工場を選定することができ、生産を効率化すること、などの同社にとっても利点があり、ユーザーと同社両サイドに利点を導く手段である。
NECエレクトロニクスでは、これらの施策を着実に実行することにより、車載向け半導体分野における地位を確固たるものとするとともに、製品の開発、生産革新を図るなど、今後ともこの分野の事業をより一層積極的に展開していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:39| 知識