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2006年12月22日

【知識】オリンパス、テルモと共同事業を開始

オリンパスとテルモ、およびオリンパスの100%子会社であるオリンパスバイオマテリアル(以下OBM)の3社は、2007年4月1日からOBMをオリンパス、テルモの共同出資会社とし、生体材料に特化した共同事業を開始することに12月14日に合意した。 
この共同会社では、生体材料と再生医療を事業とするOBMにテルモのコラーゲン事業を統合することで、両社の技術を融合させた新しい製品の開発を目指し、整形外科、歯科、口腔外科、形成外科、皮膚科等における生体材料事業を展開していく。  
オリンパスとテルモは、2005年に包括的業務提携を強化し、それ以降両社で、循環器疾患、がん、骨疾患(整形外科)領域などの分野で新しい医療機器の開発や新市場の共同開拓について検討を重ねてきた。今回、業務提携強化の一環として、共同出資会社による事業を開始する。生体材料に特化して一貫した事業体制を整えることで、両社の技術シナジーを活かした新しい製品の開発を目指すとともに、生体材料事業のより一層の拡大を狙う。  
近年の急速な高齢化に伴い、骨疾患が増加しており、一般的な治療では、骨の欠損部に人工骨や自家骨を移植する手術が行われている。特に、人工骨においては、自家骨移植に比べて外科的侵襲が軽減されQOL※の向上が期待できる理由から市場が拡大しつつある。 
生体の骨は、主にリン酸カルシウムとコラーゲンから出来ており、人工骨の開発において、リン酸カルシムはOBMが、コラーゲンはテルモが製造技術・ノウハウを持っているため、両社の技術を融合することで、より生体の骨に近い、新しい人工骨複合材の開発が期待できる。また、テルモの生体アクセス技術とOBMの生体材料の組み合わせや販売市場の拡大等、両社の技術・販売シナジーを活かして、将来的には、身体に優しい生体材料の開発により、新たな低侵襲治療の市場を創生していく。 

※QOL:Quality of life の略称。一般的に「生活の質」などと訳される。生活者の満足感、安定感、幸福感などの質から人間の生活の充実度をはかろうとする考え方。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:21| 知識