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2021年10月04日

【物 流】富士通 国内初、船舶衝突リスクを高精度に予測するAI技術を開発

富士通は、国内で初めて、湾内などの複雑な航路における船舶同士の衝突リスクを高精度に予測するAI技術を確立した。

日本の輸出入の99%以上は海上輸送が担っている中で、世界では重大な船舶事故が相次いでおり、海上交通の安全性の確保が重視されている。現状、実用化されている衝突危険度の算出方法は、船舶が現在位置から直進方向に進む前提で航行ルートを考慮しているため、航路の屈曲部で不要なアラートが多発する。そのため危険回避の情報提供のタイミングが運用管制官の経験や技量に依存しているという課題があった。

このような背景をふまえ、富士通は船舶の位置やスピード、向きなどのデータを学習したAIが算出する従来の衝突リスクに、航行中の船舶が航路に沿っている度合いを算出する新たなアルゴリズムを加えて、衝突のリスクをより高度に予測、判定できる技術の確立に至った。

その結果、東京湾海上交通センターで実施した実証実験では、不要なアラートを約90%抑制することができ、対象船舶の早期認知、衝突回避のための迅速な初動対応の支援、海上交通管制業務の負荷軽減、ヒューマンエラーの低減が確認できた。

富士通は、これらの実証実験の成果をふまえて、今後は船上の見張り業務向けに新たに強化したAI技術を適用し、2022年3月までに安全航行支援サービスの提供開始を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| IT関連