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2021年09月24日

【流 通】タカラバイオ 下水中の新型コロナウイルスを検出するPCRキット発売


タカラバイオは下水に含まれる新型コロナウイルス遺伝子を高感度かつ迅速に検出可能なPCRキット「SARS−CoV−2 Detection RT−qPCR Kit for Wastewater」の受注を開始した。

多くの新型コロナウイルス感染者の糞便中には、ウイルスが存在する可能性が報告されており、下水中に排出された新型コロナウイルス遺伝子を定期的にモニタリング調査することで、対象施設あるいは地域における新型コロナウイルス感染症の流行状況等を把握する下水疫学(※1)に関わる研究が進められている。

「SARS−CoV−2 Detection RT−qPCR Kit for Wastewater」は、下水からの新型コロナウイルス遺伝子検出に必要なPCR試薬(PCR酵素液、プライマー・プローブ、陽性コントロールなど)が含まれたオールインワンキットで、煩雑な準備作業の省力化に貢献する。

プライマー・プローブには「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(※2)」の記載に準拠した配列を使用し、従来の検出法を簡便に実施できる検査キットとして製品化された。下水中の新型コロナウイルスに加え、ウイルスの濃縮から検出までの操作を確認するためのプロセスコントロール(※3)の検出にも対応している。またワンステップRT−PCR法の採用により、下水中の低濃度の新型コロナウイルスを高感度に検出できる。

また、従来はRT−qPCR反応に3時間以上を要したが、タカラバイオの高速PCR技術の採用により、「SARS−CoV−2 Detection RT−qPCR Kit for Wastewater」では最短で約50分へ大幅に短縮された。


※1 下水疫学
学問分野である「Wastewater−based epidemiology」の訳語として山梨大学原本教授と北海道大学北島准教授の研究グループが考案したもので、一般においても広く使用されている

※2 「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」
公益社団法人日本水環境学会COVID−19 タスクフォースにより監修・執筆され、2021年3月30日に公開された

※3 ウイルスの濃縮から検出までのプロセスコントロールとしてトウガラシ微斑ウイルス(PMMoV)あるいはφ6ウイルスを検出する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通