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2021年09月21日

【流 通】東京大学と大林組 光切断法を用いた山岳トンネル断面計測システム開発


東京大学大学院工学系研究科と大林組は、光切断法を用いた山岳トンネル断面計測システムを開発した。

国土交通省の土木工事施工管理基準では、覆工コンクリートの出来形管理は、トンネル延長40mごとに1断面の幅と高さを計測することとしている。また一般的な道路トンネルの大きさ(幅と高さ)は6m〜10m程度で、出来形管理の計測点は、1断面当たり左右と天井部の3点で、従来の計測方法は高所作業車とはしごを用いて、メジャーや検測棒などで行うため、手間と時間がかかり、作業の効率化が課題だった。

今回の計測システムの開発では課題を解決するため、光切断法を山岳トンネル断面計測に適用した。光切断法は直線状に光が照射される「ラインレーザ」とカメラを用い、レーザ光の進行方向とカメラの光線ベクトルの三角測量の原理により三次元計測を行う。また光切断法をトンネル断面でも適用できるように、360度の方向に照射する「リングレーザ」と、トンネル断面上の照射光を一度で撮影できる魚眼カメラを採用した。これにより一人で計測できるようになり、省人化と生産性が向上した。2020年に山岳トンネルの施工現場で実証実験を行い、光切断法によるトンネル断面計測に成功した。

今後、施工中の出来形管理や維持管理に活用するために、複数の計測断面の三次元断面統合の確立を図り、さらなる開発を進め、省人化と生産性向上に寄与する技術の実用化をめざす。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通