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2021年09月07日

【流 通】飛島建設 「小型PCによる簡易型地震計測システム」を開発


飛島建設は「小型PCによる簡易型地震計測システム(以下 簡易型地震計測システム)を開発し、日本石油販売所有の事務所ビル2棟に導入し共同研究を開始した。

2棟のうち一棟が新築時に付加価値としてトグル制震ブレースを装着した7階建てラーメン構造で、もう一棟は柱にCFTを採用した9階建て在来強度型ラーメン構造の鉄骨造で
道路を挟んだ近傍に建てられている。制震・非制震の2棟の建物に対し、地震計を設置してモニタリングを開始した、日本で初めての実証実験になる。

建物の構造ヘルスモニタリング(以下 SHM)は2000年代より普及しはじめ、研究対象として大学校舎や公共建築などでの適用事例が多く報告されている。当初は制震・免震建物の補強効果検証が主目的だったが、現在では地震被災時の被害状況即時評価システム構築のための貴重な情報源の一つとして注目を集めている。

しかし、SHMシステム構築のためには、建物規模や設置目的によっては膨大な費用が生じると言われており、導入時には高精度センサーや周辺機器の購入費用が掛かるだけでなく、システム構築費や、設置工事や調整作業費等も合わせると300〜1,000万円程度の初期費用が発生する可能性がある。更に電気代や補強点検等の維持管理費用、機器の陳腐化や老朽化に伴う更新費用も見込んでおく必要があり、費用負担がSHMシステム導入に踏み切れない要因となっていた。

飛島建設は、こうした費用面や設置手間の問題を解決し、広くSHMシステムを普及させるため、実際の建物に対し、簡易型地震計測システムを試験的に導入し、その精度検証を進める必要があった。一方で日本石油販売は地震国日本での地震被害を少しでも減らすために、建築構造設計の発展に寄与したいという想いでこの共同研究に参画し、所有する2棟の建物に簡易型地震計測システムを設置した。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通