2021年08月10日
【知 識】電通と九州大学 次世代医療データプラットフォーム推進に向け産学連携
電通と九州大学は次世代医療データプラットフォーム推進に向けた産学連携協定を締結した。両者は超少子高齢化や２０２５年問題に向けた安心安全の社会、街づくりのために医療福祉を重点テーマと設定し、スーパーシティ構想に必要とされるデータ連携基盤（都市ＯＳ）への実装にむけ連携・協力を推進する。
内閣府は世界最先端の「スーパーシティ」を２０３０年までに実現することを目指している。スーパーシティには、すべての生活サービスと街をつなげるためのデータ連携基盤（都市ＯＳ）が必要で、それらのデータやサービスは生活者・住民（利用者）目線で使いやすいものでなくてはならないとされている。現在、日本では街全体のサービスがデータ連携しているところは少なく、ほとんどの場合、交通機関など個別機関、領域でのデータ連携・技術実証が行われている。医療データも電子カルテの普及により医療情報が電子化されているものの、それぞれの医療機関の所有情報となっており、複数の医療機関を受診すると医療情報が共有されず、最新の健康状態が把握できないなどの課題が存在する。
九州大学は厚生労働省をはじめとした国の機関と連携し、医療サービス利用者である患者や生活者が出生から現在までの医療・健康データを自分自身の情報として保有し活用することが可能なＰＨＲ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈｅａｌｔｈ Ｒｅｃｏｒｄ）を推進し、その標準化を含め２０２２年度までに社会実装（概念実証を含む）を目指している。患者・生活者による個人の医療データ保有は、自身の健康診断データなどを把握することで生活習慣の見直しにつながる。また服薬履歴、診療情報の共有により医療費の適正化や患者情報が即座に把握できることから医療現場の業務効率化にもつながる。安心安全な社会の実現にもつながるＰＨＲは、利用者である生活者の利便性や、無理なく利用継続できるような設計でなければならない。
電通は長年にわたり生活者インサイトを研究し、生活者視点からのマーケィテング活動支援を多数行ってきた。この知見を活かし九州大学が進めるＰＨＲのＵＩ（ユーザーインターフェイス）・ＵＸ（ユーザーエクスペリエンス）設計・開発および利用促進のための活動を協働で行う（※）。
※ 患者データは、個人情報保護関連の法規則・指針に則り、適切に手続きした形で活用、共有する
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者：gotsuat 09:35| 知識
