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2021年07月30日

【流 通】東大と日本ペイントHD 新型コロナウイルス等を不活化するナノ光触媒開発


東京大学大学院(※)と日本ペイントホールディングスは共同で、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減する抗ウイルス性ナノ光触媒を新たに開発した。

抗ウイルス性ナノ光触媒は、壁面、家具、ドアノブ、手すり、スイッチ、電子機器などを介する感染リスクを減らす塗料やスプレー剤への利用が想定されている。

東京大学 橋本和仁名誉教授らが開発した酸化チタン−酸化銅複合型光触媒をベースに、光触媒粒子を極めて小さなナノ粒子とすることで、表面積、分散性、透明度を著しく改善した。ウイルスを不活化する1価の銅を含み、これが空気により酸化されて効果の低い2価の銅になっても、光が当たれば1価に戻り、効果を維持する。

この光触媒を塗料に加えて塗った膜は、新型コロナウイルスやアルファ変異株に対し、蛍光灯下で顕著な不活化効果を示したほか、インフルエンザA型ウイルス、ネコカリシウイルス(ノロウイルスのモデル)、細菌に感染するウイルスなども不活化した。

この光触媒は新型コロナウイルスの表面にあって人間の細胞に取り付く役割のスパイクタンパク質を変性させて、不活化していることも解明した。この抗ウイルス性ナノ光触媒は、ポストコロナ社会においても、ウイルス感染リスクの低減に貢献すると期待される。

※ 工学系研究科 特任教授・同 生産技術研究所 教授の立間 徹、同 大学院工学系研究科 特任教授の津本 浩平、同 医科学研究所 准教授 一戸 猛志らを中心とした研究グループ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通