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2021年07月29日

【物 流】IHI バイオ医薬品輸送で宇宙向け技術を応用した極低温冷凍冷蔵庫を展開


IHIとIHI物流産業システム(ILM)は極低温冷凍冷蔵庫「EROST2」をバイオ医薬品の保管・輸送用に応用展開していく。「EROST2」はIHIエアロスペースが宇宙航空研究開発機構と国際宇宙ステーション(ISS)向けに開発された。

バイオ医薬品は新型コロナウイルスの感染を契機に日本でも開発が進んでいる。医薬品の保管・輸送ではマイナス60度以下での管理が必要となり、今まではドライアイスが使用されていたが、航空法でドライアイスの積載量に制限があることや近年の脱炭素化の推進によりドライアイスの原料が十分に調達できずに供給量が減っていることが影響し、新たな保管技術や輸送ニーズが高まっている。

「FROST2」はISSの「きぼう」日本実験棟で、たんぱく質や細胞の保管などに使われている。高性能保冷剤、独自の断熱材積層構造のコンテナ、次世代型冷却器であるスターリングクーラーからできている。電源に接続すると極低温冷凍冷蔵庫として使用できるほか、無電源でもドライアイスを代替する高性能保冷剤があるため、庫内温度をマイナス70度以下で6時間以上維持することができる。「FROST2」を応用した保冷技術とILMが得意とする自動倉庫を組み合わせることで、これまで難しいとされてきたバイオ医薬品の原薬や中間体、細胞医薬品を大量に保管・輸送することも可能になる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| その他