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2021年07月05日

【流 通】奥村組とアクティオ マスコンクリートのパイプクーリング制御システム開発


奥村組とアクティオはマスコンクリートの温度ひび割れを抑制する工法の一つであるパイプクーリングで、コンクリート温度を管理目標値に漸近するようクーリング水の流量・流方向を自動で制御するシステムを開発し、実大実験や道路橋下部工事に適用し、その有効性を確認した。

マスコンクリートの施工において、構造物の性能および機能を確保するために、セメントの水和熱による温度ひび割れへの効果的な対策を講じる必要がある。

パイプクーリングはコンクリート内部に配置したパイプにクーリング水を一定期間に一定量流すことによりコンクリートを冷却するもので、ひび割れ対策として広く用いられている。しかしコンクリート温度の変化に対応していないことや、配置する1系統あたりのパイプ延長が長いとコンクリートの水和熱によりパイプ内のクーリング水の温度が上昇し、パイプ出口側では冷却効果が低下することから、十分な効果が発揮できない場合がある。

今回開発されたシステムでは、あらかじめFEM温度応力解析により算出したコンクリートの温度履歴を基に、管理目標値を設定する。パイプクーリング実施中はパイプ近傍でコンクリート温度をリアルタイムでモニタリングしながら、管理目標値に漸近するようにPID制御でクーリング水の流量を自動調整し、コンクリート温度を管理する。パイプクーリングを複数の系統で行う場合は、モニタリングを行うメイン系統の流量をサブ系統に再現するように制御することで、システムの簡素化を図った。

また、クーリング水によるコンクリートの冷却を効果的・効率的に行なうため、クーリングパイプの入口側と出口側のコンクリート温度差が所定値以上になると、クーリング水の流方向を自動で変更(正送もしくは逆送に切り替え)してコンクリート温度を管理する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通