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2021年06月25日

【環 境】東洋エンジなど 木くず等原料の純バイオジェット燃料の製造技術を開発


東洋エンジニアリングは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、三菱パワー、JERA、および宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、木くず等を原料とした純バイオジェット燃料(※1)の製造技術(ガス化FT合成技術 ※2)開発に取り組み、生産したバイオジェット燃料を持続可能な代替航空燃料(SAF ※3)として、商用フライトに世界で初めて供給した。

このプロジェクトはNEDOがSAF商用化を視野に進める「バイオジェット燃料生産技術開発事業(※4)」による委託を受けて2017年度に着手し、原料となる木くず等を調達して純バイオジェット燃料を製造する一貫体制の実証と、燃料を航空機に給油するまでのサプライチェーンを具体化した。

同事業ではJERAの新名古屋火力発電所内にパイロットプラントを建設し、木くず等を原料としたSAFを一貫製造する実証試験を行った。JERAが原料調達とパイロットプラントの運転、三菱パワーが原料のガス化、同社が生成ガスから液体炭化水素燃料の製造(FT合成)、水素化分解(※5)、蒸留と混合(※6)以後のサプライチェーン構築を担当し、JAXAが製造されたSAFの燃焼特性試験を実施した。木くず等から製造された純バイオジェット燃料は2020年8月に国際規格である「ASTM D7566 Annex1」に適合することを確認(※7)し、その後製造した燃料の全量(2,366リットル)が同規格に合格した。さらにこれを既存の石油由来ジェット燃料(JET A−1)と混合したSAFも2021年3月に同規格に適合することを確認した。

※1 純バイオジェット燃料
バイオマス原料から生成された純度100%のバイオジェット燃料。別名ニート燃料

※2 FT(Fischer−Tropsch)合成
合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)から触媒を用いて液状炭化水素を合成する技術

※3 SAF Sustainable Aviation Fuelの略

※4 バイオジェット燃料生産技術開発事業
事業期間:2017年度〜2024年度
2020年度NEDO新エネルギー成果報告会

※5 水素化分解
UOP社/日揮ユニバーサル社より水素化分解用触媒の提供を受けて実装

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】