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2021年06月03日

【環 境】三菱地所など 新たな資源循環モデルの実証事業を東京・丸の内で開始


レコテック、花王、三菱地所、Tokyo Marunouchi Innovation Platform(以下 TMIP)は、東京・丸の内エリアでプラスチックの回収・製品化を通じた資源循環モデルの確立に向けた実証事業を開始する。

プラスチック製品など消費者が製品を使用した後に回収されるリサイクル材であるポストコンシューマーリサイクル材(以下 PCR材)は、多品種かつ少量で発生するため回収が難しいことが指摘されている。そこで消費材製品の原材料として循環利用するために必要な物流の効率化およびトレーサビリティの担保に向け、丸の内エリア等の廃プラスチックを回収・製品化することで、廃棄物の回収・圧縮保管・リペレット・製品化の一連のプロセスにおける課題の抽出および製品のライフサイクルを通じた環境への影響やコストを検証する。なお廃棄物の回収にあたっては、レコテックが構築したごみの種類・量・発生時間などの情報を地図上にマッピングするなど廃棄物情報を集約したクラウドプラットフォーム「Material Pool System(以下 MPS)」を活用するほか、「再生利用指定制度」を利用する。また資源を採取・加工し、製品を製造・流通・販売する「動脈産業」と、その廃棄物を回収して再生・再利用、処理・処分などを行う「静脈産業」が一体となった物流システム「動静脈一体物流」を実現する。

今回の実証事業ではレコテックが提供するごみを可視化するプラットフォームシステムMPSと廃棄物を記録するWebアプリケーション「GOMiCO」で廃プラスチックの量と種類を可視化し追跡・管理を徹底することでトレーサビリティを確立する。これを前提に東京都の「再生利用指定」を受けた許認可外の車両を使った動静脈一体物流を実現することで、廃プラスチックの収集・運搬を効率化し再生ペレットのコスト削減を目指している。また、プラスチックの回収から製品化までの一連のプロセスの環境負荷とコストを産学連携で評価する。

日本でも2021年3月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定され、プラスチックの資源循環に向けた物流の効率化のための規制緩和が促進されていくと期待される。同実証事業を通して、将来的なプラスチック循環事業のモデルや各ステークホルダーにおける課題をさらに抽出することでサーキュラー・エコノミーへの移行を先導する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】