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2021年04月26日

【アジア】豊田通商 インド・医薬品卸SKITESに出資


豊田通商は医薬品流通の集約化・効率化を進め、必要な医薬品をタイムリーに病院・薬局へ届ける仕組みを構築することを目的にインド医薬品卸のSKITES PHARMA Private(スカイツ ファーマ 以下:SKITES)に出資した。

世界11位の医薬品市場を持つインドは、医薬品製造業が盛んであることに加え、昨今の医療水準の高まりの影響も受けて、さらなる市場の成長が期待されている。一方、インドの医薬品卸は同族経営の中小企業が多く、その数は6万5000社を超えている。そのため、1社の医薬品卸からの購買では医薬品の種類、数量共に限界があり、病院側は多数の医薬品卸から購買しなければならず、発注工数の増加や在庫管理が複雑化するなどの課題が存在する。

2017年に設立されたSKITESは、自社倉庫、ITインフラ、コールドチェーンを完備している。同業他社と異なり約2万2000種類に及ぶ多数の医薬品を取り扱えることが強みで、薬局、病院など約6000の顧客に対して、医薬品を効率的に販売・提供している。インドでは2017年にGST(※)が導入され、各州で異なる税体系が改善されたこともあり、SKITESのような大手医薬品卸が州を越えて顧客を獲得しやすくなり、市場シェアが集約化され、今後、医薬品卸業者の統廃合が予見されている。


豊田通商は2014年にセコム医療システムと共にインドでSAKRA WORLD HOSPITALを開業、病院運営事業に進出し、医薬品在庫管理などの病院運営改善ノウハウを蓄積してきた。

SKITESへの出資は医薬品の買い手である病院側のニーズを把握した豊田通商が、売り手である医薬品卸と協業することにより、病院側の目線で医薬品流通の集約化・効率化を実現する。そして病院周辺事業に進出することで、従来培ってきた病院の運営改善ノウハウと、今回新しく手にする病院周辺事業の改善ノウハウをパッケージ化し、他の病院へ事業を展開することも検討する。さらに同社グループが運営するアフリカの医薬品卸Eurapharmaへのインドからの医薬品輸出なども検討し、インド国内外での医薬品販売機会の創出を図る。

※ GST(Goods and Services Tax)
2017年7月に新しく導入された間接税。以前は中央政府と州政府それぞれが複雑な間接税を課しており、州境において入境税も必要だったため、インドのサプライチェーンを?効率なものにする原因となっていた

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア