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2021年02月22日

【知 識】丸紅 オランダ・サーキュライズと業務提携


丸紅はオランダのサーキュライズと、サーキュライズが開発するトレーサビリティ管理プラットフォームを日本およびアジアの化学品市場向けに展開することを目的とした業務提携契約を締結した。今後、実証実験を進め、サーキュライズとの合弁会社設立を視野に入れた事業化を目指す。

昨今、大量生産・大量消費・大量廃棄がもたらす資源・エネルギー不足が環境・社会問題となっており、サーキュラーエコノミー(循環経済 以下 CE)の実現が求められている。一方、CE実現のためには循環型サプライチェーンにかかわる各ステークホルダーが提供する製品・サービスに関して、透明性の高いトレーサビリティ関連情報等を共有することが欠かせない。

サーキュライズのプラットフォームはブロックチェーン技術とゼロ知識証明(※1)をベースにサーキュライズが独自開発した「Smart Questioning」技術により、製品の設計・仕様、加工条件、リサイクル履歴等のトレーサビリティ関連情報や、カーボンフットプリント、リサイクル比率等の資源効率を示すデータ、企業のSDGs対応情報、第三者認証情報といった環境対応指標を、機密性を保ちながら選択的に開示することでサプライチェーンの透明化に貢献する。こうした技術が評価されサーキュライズは、CE化を促進するソリューション提供企業として、2020年9月に欧州委員会より「EU Horizon 2020」(※2)対象企業に選出された。

丸紅は、まずはプラスチック等化学品分野の取引先の参加を広く募り、このプラットフォームを活用した実証実験を進め、技術的有効性や今後強化すべき機能などを確認する。事業展開に際して、サーキュライズと共同事業契約を締結し、日本およびアジアで同プラットフォームの提供を開始する予定にしている。

※1 ゼロ知識証明
暗号学において、ある知識を持っていることを、その知識に関する何の情報も明らかにすることなく証明する手法のこと

※2 「EU Horizon 2020」
全欧州規模で実施される、研究および革新的開発を促進するための欧州研究・イノベーション枠組み計画 Framework Programmeのこと。2014−2020年にわたり約800億ユーロ(約10兆円)に上るEUからの公的資金が投入されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| 知識