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2021年02月15日

【アジア】住商 オマーンで水素ハイブリッド地産地消プロジェクト事業化可能性調査

住友商事は石油・ガス開発事業者のARA Petroleum(以下 ARA)とオマーンで検討している水素ハイブリッド地産地消プロジェクトに関する事業化可能性調査を開始した。

石油生産時に副産物として発生する随伴ガス(※1)を有効活用し、「水蒸気改質法(※2)」を用いることによって、水素を製造することができる。石油・ガスが主要産業であるオマーンは日本政府が主導する水素閣僚会議に参加し、水素の活用に積極的に取り組んでいる。オマーンの水素活用に向けた動きを一つの背景として、住友商事は2020年3月にARAとMOUを締結し協議してきた。

今回実施されるプロジェクトではARAが石油・ガスを生産する鉱区において地産地消型水素サプライチェーンを構築する。2023年の商業運転の開始を目指している。鉱区内で発生した随伴ガスから年間300〜400トンの水素を製造し、主にARAが鉱区内で導入する燃料電池自動車の燃料として活用すると共に回収したCO2は地場産業向けに有効活用するとともに、20メガワット規模の太陽光発電パネルを併設し、鉱区や水素製造設備などの電源として活用する。住友商事はプロジェクトを通じて石油・ガスの生産活動の脱炭素化・クリーン化に貢献するとともに、プロジェクトのモデルを今後オマーン国内外に展開することを検討している。

住友商事は水素を将来の重要なエネルギーのひとつとして位置づけ、エネルギーの地域性と水素の特性を活かした地産地消型の水素事業や、水素の大量製造・輸送/貯蔵・利用を推進する大型水素バリューチェーン事業など、水素関連事業開発に取り組んでいる。水素関連事業の推進により、気候変動緩和に関する長期目標である「2050年のカーボンニュートラル化」の達成と、「持続可能なエネルギーサイクルの実現」に大きく貢献すべく、今後も水素社会の実現に向けた取り組みを加速させる。

※1 随伴ガス
石油生産時に油田より産出される炭化水素を含むガス

※2 水蒸気改質法
随伴ガスに含まれる炭化水素より水素を製造する方法。本プロジェクトでは、メタンと水の化学反応から水素を製造する水蒸気メタン改質法を用いる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア