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2020年11月30日

【流 通】三井化学プラントでAIにより化学プラントの運転変更操作を40%効率化


NEC、産業技術総合研究所(以下 産総研)、三井化学とオメガシミュレーションは化学プラントなどの大規模インフラの運転を支援する論理思考AIとシミュレータ上に再現したミラープラントを組み合わせた運転支援システムを構築し、運転員の手動操作と比較して40%効率的な運転ができることを三井化学のプラントで実証した。

この技術により化学プラント運転の効率化、例えば、運転安定化までの時間短縮による原料やエネルギーの削減が可能になることが期待される。

近年、化学プラントでは顧客の多様なニーズに合わせた生産が行われている。生産量や生産品を変更する運転変更操作は、安全を見ながら操作する必要があるため、運転員が手動で、あるいはベテラン運転員の操作をルールベース化し手順通りに再現したシーケンス制御を使用して行っている。プラント状態はゆるやかに変化するため、最適となるまでの運転変更操作に数時間から半日程度を要することがある。運転変更の試行を繰り返すと原料やエネルギーが無駄になるため、効率化が望まれていた。このような課題に対し強化学習を代表としたAI技術の研究が進んでいるが、プラントのような大規模・複雑な対象には対応できなかった。

NECと産総研は、プラント等の大規模・複雑なインフラの効率的な操作とその根拠を合わせて提示できるAI技術「論理思考 AI」を開発してきた。「論理思考 AI」は、強化学習を用いて人が従来行ってこなかった操作もシミュレータ上で試行することにより、運転員が複数回の試行錯誤をしながら行っていた運転変更操作を最適化できる。この最適化した操作を運転員が確認し、操作することで、運転変更の時間短縮が可能になった。今回、同技術とオメガシミュレーションのミラープラント(オンラインダイナミックシミュレータ)を連携させ、三井化学の訓練用実プラントに適用した。その結果、生産量を変更する運転変更操作において、運転員の手動操作と比較して操作時間を40%短縮できることを確認した

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通