<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2020年11月16日

【流 通】JFEスチール コイル製品倉庫用スマート運用自動クレーンを全社展開


JFEスチールはコイル製品倉庫の荷役設備である自動天井クレーンのスマート運用システムを開発し、全社展開を開始し、作業スケジュールと製品配置を最適化にすることによって、出荷能力の大幅な向上を実現した。

製鉄所で製造されたコイル製品は、梱包された後一時的に出荷岸壁近くの製品倉庫に保管される。出荷日になると製品倉庫からクレーンによって搬出され、運搬船やトラックで発送される。製品倉庫からのコイル搬出作業は多くのクレーンが並行して動く極めて複雑な操業条件下で実施されるため、従来はクレーンのオペレーターが、出荷状況を画面等で確認しながら、コイル製品の出し入れ順を判断せざるを得ない。そのためコイル製品の搬出待ち時間が発生し、出荷効率が十分上がらないケースがあった。

JFEスチールは製品を遅滞無く配達するため、荷役設備の操業効率向上に取り組んできた。特に製品倉庫クレーンの運用は、出荷効率に直接影響を与えるため、スマート運用システムの開発を最重要課題として進めることにした。

今回開発したスマート運用システムでは、「スケジューリングプログラム」によって、操業・出荷計画等をベースに作業順を自動的に最適化することで、入出庫作業の効率向上および無人化を実現した。さらに「スケジューリングプログラム」の機能の一つである「配置最適化機能」によって、手待ち時にコイル製品を理想的な配置に並べ替えることで、別のコイル製品が上に乗ってしまっている場合に発生する掘り出し作業を低減し、入出庫の待ち時間を大幅に削減することが可能になった。このシステムは3段積みのコイル倉庫や、荷さばき場がなくスペースに余裕がない倉庫に対しても適用することができる。

2020年10月までに西日本製鉄所(福山地区)のコイル製品倉庫で稼働する自動クレーン6基に導入を完了した。これにより、これまで発生していたコイル製品の搬出時待ち時間が不要になるなど、出荷能力の大幅な向上を実現した。今後は全社展開を進めることで、出荷効率のさらなる向上を通じた顧客満足度の向上に努める。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通