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2020年10月15日

【流 通】カネカ 重症の閉塞性動脈硬化症の吸着型血液浄化器 製造販売承認取得


カネカは潰瘍を有する重症化した閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans 以下 ASO ※1)を治療する吸着型血液浄化器(製品名:レオカーナ(R))を開発し2020年8月に製造販売承認を取得した。保険収載を経て2021年春の販売開始を目指す。

高齢化の進行や、重症化の要因である糖尿病や慢性腎不全などが増加することで、ASOの患者数は増えると予想されている。今回開発した吸着型血液浄化器は病因物質を選択的に除去して、浄化された血液を再び体内に戻すシステムで、病因物質を吸着する新たなセルロースビーズの開発により、ASOの発症にかかわる病因物質LDL−C(※2)やフィブリノーゲン(※3)を取り除くことが可能になった。重症化し他に治療方法のないASOに対する新たな治療方法(※4)として、同製品による治癒率を評価した治験において良好な成績が確認されている(※5)。

※1 閉塞性動脈硬化症(ASO)
動脈硬化などが原因となり下肢動脈の内部が狭窄・閉塞することで、血液の循環障害(虚血)が引き起こされる疾患。初期には冷感やしびれ、歩行障害を引き起こす。さらには痛みや潰瘍を伴う重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia:CLI)にまで進行すると下肢切断や死亡リスクが高まる。

※2 LDL−C
悪玉コレステロール。肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っており、増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞、脳梗塞、下肢の虚血を発症させる

※3 フィブリノーゲン
肝臓で作られ血漿中に含まれる蛋白質の一種であり血液凝固を引き起こす

※4 重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia:CLI)に対してはバイパス術や血管内治療などによる血行再建術が治療の選択肢となるが、回復せず潰瘍が難治性となった場合は、既存の治療方法では十分な効果が得られていない

※5 下肢の切断につながるような重度の潰瘍の治癒率を評価した治験において、治療開始から24週以内に45.9%の患者の潰瘍が治癒した

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通