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2020年10月09日

【流 通】カネカ 独自技術を用いた新型コロナウイルスPCR検査キットを発売


カネカは新型コロナウイルスを1時間以内に検出可能なRT−qPCRキット(製品名:KANEKA Direct RT−qPCR KitSARS−CoV−2を、2020年10月7日より医療機関や検査施設向けに販売を開始した。同社グループ会社であるカネカメディックスが販売する。

KANEKA Direct RT−qPCR KitSARS−CoV−2はカネカが取り組んできた遺伝子検査関連製品などの技術を活かして開発した、独自の検体処理技術が採用されている。通常は必要とされる唾液や鼻咽頭ぬぐい液から採取した検体からのウイルスRNA(※1)精製工程が不要で、熱処理だけで前処理工程が完了する。これにより従来法では約1時間を要していた前処理工程をおよそ5分に短縮できる。PCR検査全体の所要時間を従来の2〜3時間から大幅に短縮し、1時間以内の判定が可能になった。製品評価はAVSSと共同で国立感染症研究所の基準に則って実施している。

同製品は厚生労働省の「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019−nCoV遺伝子検査方法について(※2)」に掲載されており、行政検査および公的医療保険の適用対象で、今後、医薬品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品として承認取得を目指す。

カネカは新型コロナウイルスを始めとする感染症対策の研究開発を進める「インフェクション研究チーム」を立ち上げ、同製品の他、DNAワクチンの中間体製造、「アビガン」の原薬供給、ベルギーでのPCR検査試薬供給など、新型コロナウイルス問題の課題解決に向けて幅広く取り組んでいる。

※1 ウイルスRNA
新型コロナウイルス特有の遺伝子のこと。ウイルスRNAをPCR検査で増幅させ、感染の有無を検出する

※2 厚生労働省および国立感染症研究所によって精度や汎用性が確認された検査方法については、検査方法を普及させる観点から、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の製造販売承認を得ることなく公的医療保険が適用されるとともに、行政検査でも使用可能となる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通