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2020年10月01日

【環 境】川崎重工業 石炭火力発電所における省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システムのパイロットスケール実証試験を開始


川崎重工業、地球環境産業技術研究機構(以下「RITE」)は省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システムのパイロットスケール試験設備(40トン−CO2/日 規模)を関西電力の舞鶴発電所内に建設し、2022年度から石炭火力発電所から排出される燃焼排ガス中のCO2分離・回収試験を開始する。

工場などから排出されるCO2は地球温暖化の要因と言われており、その一つの解決策として二酸化炭素回収・有効利用・貯留(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(※1)、以下「CCUS」)が挙げられる。CCUSの導入を促進し、低炭素社会を実現するためには、排ガス中のCO2をより省エネルギーで分離・回収する技術の確立・適用が求められている。なかでも固体吸収法は従来の技術と比べて、CO2分離に要するエネルギーを大幅に低減できる可能性がある(※2)ため、次世代の分離・回収技術として期待されている。

川崎重工業およびRITEは2015年度から経済産業省の委託事業「二酸化炭素回収技術実用化研究事業」(2018年度よりNEDOに移管)において、固体吸収材と、KCC(Kawasaki CO2 Capture)移動層システム(※3)の開発・改良により省エネルギー型二酸化炭素分離・回収システムの性能向上と大型化の目途をつけた。パイロットスケール試験設備は、川崎重工業が設計・建設を行い、予定ではRITEが開発した固体吸収材を用いて連続運転試験を実施する。

※1:統合イノベーション戦略推進会議で決定された「革新的環境イノベーション戦略」に打ち出されている施策
 出典:「革新的環境イノベーション戦略」(経済産業省)

※2:定量的には、それぞれのCO2分離回収エネルギーは、@吸収液方式・・・2.5〜4.0(GJ/t−CO2)、A個体吸収方式・・・1.5(GJ/t−CO2)となり、40%以上の削減となる。

※3:固体吸収材を適切に移動させることで、連続的に、かつ効率よくCO2を分離・回収できる大型化に適したシステム

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】