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2020年07月10日

【環 境】NEDOとシャープ 高効率太陽電池セルで電気自動車用太陽電池パネル製作


NEDO(※1)とシャープは世界最高水準の高効率な太陽電池モジュール(変換効率31.17%)と同等のセルを活用し、電気自動車用太陽電池パネルを製作した。同パネルは1kWを超える定格発電電力を達成し、利用方法次第で年間の外部電源からの充電回数をゼロにできると試算されている。

NEDOは2016年に太陽光発電システム搭載自動車検討委員会を設置し、太陽光電池搭載自動車に関する調査・検討を行ってきた。2018年1月に公表した中間報告書の中で「変換効率30%以上の太陽光パネルを使用すれば、自動車のような限られた設置面積でも、1kWの発電電力を実現し、年間の充電回数をゼロにすることが可能」としていた。また、NEDOは2015年度から2019年度にかけて、革新的で高性能な太陽電池の開発を推進する事業を行っており、その一環としてシャープはV−X化合物3接合型太陽電池(※2)の技術により、世界最高水準の太陽電池モジュールを開発した。今回、日産自動車の協力の下、同モジュールと同等のセルを活用した検証で、1kWを超える1,150Wの定格発電電力を実現することに成功した。

今後、NEDOは2019年7月からトヨタ自動車が実施したシャープ製の太陽光電池パネルを搭載したプラグインハイブリッド実証車による公道走行などのデータを、国際的な調査に生かしていく。さらに新規事業として車載用V−X化合物太陽電池の実用化に向け、高効率化とコストダウンを推進し、太陽電池の新規市場創出とエネルギー環境問題解決を目指す。

※1 NEDO
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)。日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人。

※2 V−X化合物3接合型太陽電池
インジウムガリウムリン(InGaP)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)などの化合物を接合した太陽電池

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】