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2020年06月17日

【知 識】ダイキン工業とWASSHA タンザニアでエアコンのサブスク事業展開


ダイキン工業とWASSHA(ワッシャ)はエアコンのサブスクリプション事業を行う新会社「BaridiBaridi(バリディバリディ)」を設立した。

ダイキン工業が持つ、耐久性に優れ、高効率で環境負荷が低いエアコンとサービス網の構築力、WASSHAが持つ、モバイルマネーを経由した料金回収技術と東アフリカでビジネスを展開するノウハウを活用し、ユーザーが日・週・月ごとに使用料をスマートフォンで支払うことで、エアコンを使用したいときだけ使用できるサブスクリプションを事業化する。まずはタンザニア連合共和国で事業を展開し、将来的にはアフリカだけでなく他の空調未成熟市場への展開をめざす。

ダイキン工業とWASSHAは2019年11月から2020年2月までの3か月間、タンザニアでルームエアコンのサブスクリプションの事業性を検証する実証実験を行った。現在、タンザニアでは、省エネ性能が低いノンインバーターのエアコンが普及しているため、エアコンユーザーは高額な電気代を支払っている。またサービス業者の据え付けや修理の技術が未成熟で、トラブルが解決できないケースも多い。20台のダイキン工業のルームエアコンを用いて顧客層や価格体系を検証した結果、エアコンの有無が集客や客の滞在時間に影響を与える小規模店舗などで大きな需要があることが分かった。また温暖化係数の低い冷媒を使用し、耐久性に優れ、高効率のインバーターエアコンを普及させることで、タンザニアのエアコンユーザーが抱えている課題を解決できるとともに、環境負荷を軽減できる可能性があることが分かった。ビジネスモデルの事業性とともに社会課題解決に貢献できる可能性が明らかになったことから、事業化を加速するために今回、合弁会社を設立した。社名には、"空気を冷やすことで、快適な空間を届けたい"という思いを込め、東アフリカの言語であるスワヒリ語で"冷やす"という意味の"baridi"という言葉を用いた。

ダイキン工業と東大関連ベンチャーであるWASSHAの協業は、ダイキン工業が2018年12月に東京大学と締結した産学協創協定のテーマである「ベンチャー企業との協業を通じた新たな価値の社会実装」に取り組む中で実現した。ダイキン工業は世界のスタートアップ企業を対象に2024年までの5年間で110億円の出資枠を設定しており、第1号案件としてWASSHAに3億円を出資するなど、両社は緊密な関係を構築してきた。今回の新会社設立により、サブスクリプションによる空調のさらなる普及に貢献し、環境負荷の低い空調文化の創造に挑戦する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識