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2020年05月18日

【アジア】住友化学 新型コロナウイルス感染症診断センサーを開発するイスラエル社へ資金提供

住友化学は、イスラエルのナノセント社が進める臭気検知デバイスを用いた新型コロナウイルス感染症の迅速診断センサー開発のため、必要資金の約7割を提供する。

ナノセント社はイスラエルのベンチャー企業で、ケミレジスタ(※)を搭載した臭気検知デバイスとデジタル技術を融合したさまざまな新型センサーを開発している。同社は新型コロナウイルス感染症の拡大抑止に向けて、この技術を活用し鼻の呼気からウイルス感染を検知できる迅速診断センサーの開発に着手した。国境や空港、病院などでの感染スクリーニングシステム構築のため、既にイスラエルや欧州の病院や高精度な検査技術を開発する企業と連携し、実証実験を始めている。臭気検知デバイスを用いた非侵襲(生体を傷つけない)かつ即時に判定ができる極めて簡便な診断方法と、PCR法などのより高精度な検査方法を組み合わせて、「短時間」「低コスト」「高精度」で実施可能な感染スクリーニングシステムの実現を目指している。

住友化学は迅速診断センサー技術の開発は、新型コロナウイルス感染症はもとより、将来に発生が懸念されるパンデミック対策にも応用が可能であり、2019年からナノセント社と共同で開発している「体調可視化」による次世代ヘルスケアプラットフォームの基盤技術向上にも資するものと判断し、資金提供を決定した。

住友化学は、今後もスタートアップやアカデミア等とのオープンイノベーションを通じて、パンデミック対策に向けたさまざまな取り組みを推進するとともに、次世代事業の重点領域の一つに掲げる「ヘルスケア」分野の技術開発を加速させる。

※ ケミレジスタ
周辺の化学的環境(物質の吸着など)に応じて電気抵抗値が変化する材料で、さまざまな物質を検知するセンサーとして活用できる。一般にナノテクノロジー(物質を原子・分子レベルで制御し特徴的な素材を開発する技術)を活用した材料が用いられる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア