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2020年04月24日

【アジア】商船三井と台湾の大統海運 台湾でアジア初のSOV事業

商船三井と台湾の大統海運は両社の合弁会社である大三商航運(以下 大三商)を通じ、デンマークのオルステッドの100%子会社オルステッド台湾とSOV(※1)の定期貸船契約を締結した。

また定期用船契約締結と同時に、大三商はノルウェー造船所のヴァルド(以下 VARD)の100%子会社ヴァルド・シンガポールとの間で今回の契約に投入する新造SOVの建造に関する造船契約を締結した。

台湾とアジア初のSOV事業で、VARD傘下のベトナム造船所で2022年上半期の竣工を予定し、その後オルステッドが台湾台中沖で開発を進める大彰化洋上風力発電所向けメンテナンス支援業務に15年間(最大20年間)従事する。

SOVとは洋上風力発電所の開発が最も盛んな欧州で普及するメンテナンス作業の支援に特化した専用船で、洋上風力発電事業の進展が見込まれる台湾などを中心に(※2)、今後はアジアでも需要拡大が見込まれている。

商船三井は長年に亘り台湾での重要なビジネスパートナーである大統海運と組み、これまで培ってきた台湾でのビジネス経験および海技ノウハウを活かして洋上風力発電における世界最大の事業者であるオルステッドとの新たな関係を築く事でエミッションフリー分野における新たな事業領域に踏み出す。

※1 SOV(Service Operation Vessel)
洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣する為に多数の宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動が可能なオフショア支援船。本船と洋上風車の距離を常時安全に保つため、ダイナミックポジショニングシステム(DPS:自動船位保持機能装置)を搭載し、また本船から洋上風車プラットフォーム上に技術者を安全に渡すため、波等による船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション(Motion Compensation)機能をもつ特殊なギャングウェイ(Gangway)を搭載する

※2 台湾における洋上風力発電事業
2017年1月に台湾における電気事業法が改正され、原子力に代替する電源の一つとして再生可能エネルギーの推進が掲げられた。台湾島西方に位置する中台海峡は風況に恵まれており、主たる再生可能エネルギー電源として2020年から2025年の間に合計5.5GW分の洋上風力発電所の系統接続許可が発効された。更に2026年から2035年の間に追加で10GWの洋上風力発電事業が検討されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア