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2019年12月05日

【流 通】カネカ 脳動脈瘤塞栓コイル新製品 i−EDコイル を発売


カネカは脳動脈瘤塞栓コイル(※1)新製品(製品名:i−EDコイル(TM))を開発し、2019年11月より日本で販売を開始した。米国食品医薬品局(※2 FDA)に申請中で、承認を取得後、米国でも販売を開始する予定にしている。

脳動脈瘤とは脳の動脈に発生するこぶであり、破裂するとくも膜下出血(※3)を発症する。くも膜下出血は致死率が高い。治療方法は開頭して金属製のクリップで破裂した動脈瘤を挟み込むことで動脈瘤からの再出血を防ぐ外科治療、またはカテーテルを使って血管の内側から破裂した動脈瘤内に塞栓コイルを詰める血管内治療がある。最近では体への負担が少ないことから塞栓コイルを使う血管内治療の割合が年々高まり、くも膜下出血治療の第一の選択肢になりつつある。

また、画像診断技術の発達により未破裂の動脈瘤がくも膜下出血発症前に発見される事例が増えている。こうした未破裂の動脈瘤の破裂を予防するために、塞栓コイルを使う血管内治療が行われる割合も高まっている。

カネカは今回、塞栓コイルの原材料になる金属線の太さの最適化や構造の工夫などにより、コイルの柔軟性を世界最高レベル(※4)に高めた製品を開発した。同製品の使用により、動脈瘤内にコイルをより高密度に詰められるだけでなく、動脈瘤の壁の一部が突出したような不規則な形状の動脈瘤にも対応でき、動脈瘤の破裂のリスクを低減させることが可能になった。高齢化の進行、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の増加により、患者数はさらに増えることが予想されるなか(※5)、同製品により脳動脈瘤に対する治療効果の向上が期待できる。


※1 血管内治療に用いられる医療機器。カテーテルの中を通して動脈瘤内に送り込み、動脈瘤に血液が入らないようにする

※2 食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当り接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関

※3 脳動脈瘤の破裂により脳を包んでいるくも膜の内側に出血を生じる疾患の総称。

※4 同社調査による

※5 くも膜下出血や脳梗塞に代表される脳血管疾患の患者数は日本で約110万人を超えると推計されています。出典厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通