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2019年09月12日

【アジア】日立製作所 フィリピンで水処理エンジニアリング事業の合弁会社設立


フィリピンの大手不動産開発会社Filinvest Development Corporation(以下 フィリンベスト社)と日立製作所子会社で海水淡水化RO(※1)システムなどの設計から製造、販売、メンテナンスを手がけるHitachi Aqua−Tech Engineering Pte.Ltd.(以下、日立アクアテック社)は、フィリピンで水処理エンジニアリング事業を行う合弁会社の設立について合意し、正式に契約を締結した。合弁会社は2019年中に設立予定で、出資比率はフィリンベスト社が60%、日立アクアテック社が40%。今後、合弁会社はフィリンベスト社やその他デベロッパーによる都市開発、ホテル・リゾート向けを中心に水処理エンジニアリング事業を展開していく。

フィリンベスト社はゴティアヌン財閥によるフィリピンの大手コングロマリットの1つであるフィリンベストグループにおいて不動産開発を手がけるグループ統括会社で、多くの都市開発、ホテル・リゾート開発などの実績がある。フィリンベスト社の100%子会社であるカントリーワイド・ウォーター・サービス社が、フィリンベスト社の開発案件において水処理設備などを提供しており、フィリンベスト社は、不動産開発事業において安定的な水インフラを供給する上で、上下水道事業における技術や実績を持つパートナーとの協業を検討していた。

一方、日立製作所は長年培ってきた水事業におけるOT(※2)およびプロダクトの実績・ノウハウに、多様な分野での豊富な実績と知見を持つITを組み合わせて、上下水道や海水淡水化などの水インフラの整備で社会課題解決に取り組んできた。海外においてはフィリピンをはじめとするアジアを注力エリアと位置付け、海水淡水化システムや高度下水処理などの差別化技術を中心に事業展開を進めている。また、日立アクアテック社は、これまでにアジアや中東を中心にROシステムを約500機納入するなど多くの実績があるほか、噴水・プールなど水を利用した景観設備も手がけている。フィリピンではフィリンベスト社の開発案件に対して、ROシステム、MBR(※3)システムの納入実績も有する。

フィリンベスト社と日立製作所は、フィリンベスト社のフィリピンにおける顧客基盤と日立製作所の水処理事業における実績・ノウハウを活用することで、フィリピンにおける水処理事業の拡大を図り、将来的には、O&M(※4)事業や公共向け水処理案件の獲得、さらには都市開発向けのユーティリティソリューションの提供もめざす。

※1 RO:Reverse Osmosis(逆浸透)
※2 OT:Operational Technology(制御・運用技術)
※3 MBR:Membrane Bio Reactor(膜分離活性汚泥法)
※4 O&M:Operation&Maintenance(運用・保全)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア