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2019年09月06日

【流 通】カネカ グリーンボンド発行 日本の化学会社で初めて

カネカは第7回無担保普通社債として、カネカ生分解性ポリマーPHBH(以下 PHBH)の製造設備および研究開発の資金調達を目的とするグリーンボンド(環境債)を発行する。募集金額は50億円、発行年限は5年で2019年9月に発行を予定している。グリーンボンドは、ESG債のひとつで、環境問題の解決に貢献する事業に資金使途を限定した債券で、事業債として日本の化学会社では初めて発行される。

PHBHはカネカが開発した100%植物由来の幅広い環境下で優れた生分解性を有するポリマーであり、なかでも海水でも生分解するユニークな物性を有している。近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系への影響を与えるとして世界的な社会問題となっているが、PHBHは海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE(※1)」を取得しており、海洋汚染低減に大いに貢献すると期待されている。

欧州では使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、PHBHは果物・野菜袋やコンポスト(※2)袋などへの採用が進み、販売量が増加している。また国内では、コンビニエンスストアや化粧品メーカーなどにストローやレジ袋、包装材など幅広い用途で採用が進んでいる。今後更なる需要拡大に向けて、PHBHの製造設備(高砂工業所)の現行生産能力を年間1,000tから5,000tに増強することを決定しており、2019年12月の稼働を予定している。

※1 OK Biodegradable MARINE
海水中(30°C)で生分解度が6ヵ月以内に90%以上になること。ベルギーに本部を置く、国際的な認証機関Vincotteより、2017年9月認証取得。Vincotteは2017年12月TUV AUSTRIA Belgium NVに認証業務を引き継いだ

※2 コンポスト
生ゴミなどの有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にする処理方法またはその堆肥

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通