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2019年09月04日

【知 識】大牟田市、NTT西等 地域と企業が新しい形で関わり合う社会課題解決の実験


福岡県大牟田市、大牟田未来共創センター、NTT西日本とNTTは地域と企業が新しい形で関わり合う「パーソンセンタードリビングラボ」による社会課題解決の共同実験を開始した。

大牟田市は周りの人とのつながりの中で「その人らしい暮らし」を統合的に捉える「パーソンセンタード」(※)という人間観に基づいて20年近くに渡り、福祉・医療現場で「本人がどうしたいのか」を常に模索し、向き合い続けてきた。地域の未来をこの人間観に基づいて捉え直すパーソンセンタードリビングラボという仕組みによって、今回の共同実験では誰もが潜在能力をいかし、生きがいを持って繋がりあう社会を見据え、健康や予防に関心のある住民が、「その人らしい暮らし(=ウェルビーイング)」のあり方の検討やその暮らしを支えるIoTテクノロジーや地域資源等を活用したプロトタイピングを行いながら、それぞれの住民のウェルビーイングな暮らしを実現するプロジェクトを実施する。

日本では、近年の人口減少・高齢化・過疎化等に伴い、自治体職員数が減少する中、多様化・複雑化する課題に対応するためには、既存の行政サービスだけでは対応が困難になってきている。大牟田市をはじめ多くの自治体では住民同士の互助や、テクノロジーの活用、縦割りを乗り越えた企業や関係団体との連携等により地域の社会課題を解決していくことが求められている。また、企業においても生活者の本質的な課題や潜在ニーズを追い求める中で、経済的価値だけでなく社会的価値を生み出す事業の創出に注目が集まっている。

そのような背景から、近年日本でも企業が自治体や住民との共創関係を築き、住民とともに課題の発見やプロトタイプの開発・検証を行う「リビングラボ」の手法が増えてきているが、地域と企業が持続的に関わり合い、地域の未来を志向した真の課題の探索と設定の難しさが課題となっている。そこで大牟田市とNTT西日本、NTTの3者は、このような課題を解決する新たな共創の仕組みについて検証するため、2018年2月よりリビングラボ共同実験を開始した。

※ パーソンセンタード
認知症をもつ人を一人の人として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとするパーソンセンタードケアという考え方(Kitwood、1997)の実践の中で培われた人間観

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識