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2019年05月22日

【流 通】アサヒビールとNEC 「輸入ワイン中味自動検査機」を共同開発


アサヒビールとNECは共同で画像処理技術を活用した「輸入ワイン中味自動検査機」を開発した。現在、人が目視で実施している輸入ワインの検品作業の品質水準を維持した上で、さらに「自動検査機」を導入し効率化することで、最適な品質管理体制を目指す。

近年、日本市場におけるワインカテゴリーは拡大傾向となっている。特にチリ産などコストパフォーマンスの高いワインの輸入数量が増え、日常的にワインを楽しむスタイルが浸透してきたことから2018年の輸入ワイン市場は10年前と比較して約1.5倍(※1)に拡大した。また、2019年2月1日に日欧EPA発効によりEU産ワインの関税が即時撤廃されたことなどから輸入ワインへの注目が高まり、本年はさらに市場が活性化すると見込まれている。

アサヒビールは輸入ワイン市場売上容量No.1(※2)ブランドのチリワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」をはじめ11ヵ国約500SKUの輸入ワインを取り扱っている。2018年の輸入ワインの販売数量は10年前と比較して約2.3倍に拡大した。

現在は検査作業員が目視による検品を実施している。瓶を光に透かしラベルの隙間から液体に微細な異物が混入していないか確認する作業で、経験と熟練した技術とされている。また現在の輸入ワイン販売数量を検品作業するために1ラインあたり10名程度の作業員が必要となっている。自動検査機を導入することで検品作業の効率化を図ると同時に、今後見込まれる労働力不足に対応する。初心者でも対応できるため労働力が確保しやすくなり、さらには、今後の輸入数量増加に対応できる柔軟な勤務体系とすることも可能になる。また、作業員の成熟度の違いによる差がないため検査品質の均一化を図ることができる。

「輸入ワイン中味自動検査機」は赤外光照明やカメラおよび画像処理技術を活用し、ワインに異物が混入していないかを確認する。作業員が検査機にワイン瓶をセットして検査を開始すると、約10秒間、瓶が傾斜・旋回する。その際、液体に緩やかな渦流が発生するため、ラベルの陰に隠れた異物まで高精度に検出することができる。あらかじめ各種瓶形状に応じた最適な傾斜・旋回パターンの設定や、赤ワインや白ワインなど液色に応じた最適な光量、撮像タイミングを設定し登録することで、作業員は検査したい品種を選択すれば自動で検査することができる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通