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2019年02月04日

【アジア】村田製作所とベトナム国立カントー大学 メコンデルタ地域の塩害対策推進

村田製作所は農地の状態を可視化する土壌モニタリングシステムを活用したベトナム・メコンデルタ地域(※1)での実証実験をベトナム国立カントー(Can Tho)大学と協力して行い、農業の塩害対策を推進している。この取り組みは、"Studies on sustainable soil uses(※2)"によるもので、日本政府とベトナム政府間での農業の塩害対策事業に関するODA(政府開発援助)供与合意に基づいている。

ベトナムのメコンデルタ地域は、温暖化による気候変動の影響により、乾季にはメコン川の流量減少や潮汐によって海水の遡上による塩害が発生している。また塩害被害のほか、干ばつや雨季の洪水など、これまで以上に過酷な農業環境が続いている。同地域は国土の30%を占める農地で国内の食糧生産量の過半数を担っており、農産物に数十億円〜数百億円規模の被害を与えることが深刻な問題となっている。

Studies on sustainable soil usesは、メコンデルタ地域での農業・環境研究に深い知見を持つベトナム国立カントー(Can Tho)大学と村田製作所が2017年から協力して取り組んでいる。同社が持つ電子部品・回路設計・ソフトウェア設計のノウハウを活用した小型センサユニットにより高精度に農地と水路の状態を計測し、独自のモニタリングツールを組み合わせ、その状態の可視化・解析を行い、水田や果樹園などへの塩害の予防、農地と水路環境の塩・硫酸汚染の改善、肥料、農作物、灌漑システムとを統合的に管理する仕組みを構築することで、メコンデルタ地域における農業へのIT技術導入に貢献する。

※1 メコンデルタ地域
カンボジア東南部をふくめたメコン川下流の三角州

※2 Studies on sustainable soil uses
ベトナム・メコンデルタ地域において、硫酸、塩に汚染された土壌での肥沃性改善と、汚染を防止する取り組み。また、気候変動に適応し持続可能な農業を実現させ、収益の向上を図る

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア