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2019年01月09日

【環 境】太平洋セメント セメントキルン排ガスを対象にCO2分離・回収試験を実施


太平洋セメントは、環境省の環境配慮型CCS (※1) 実証事業に参画する。セメントキルン排ガスを対象として国内では初めて(同社調べ)となる化学吸収法を用いたCO2分離・回収試験装置を同社藤原工場に設置し、実証試験を実施する。

セメントを製造するには1,450℃という高温での焼成が必要なこと、かつ焼成工程において主原料の石灰石が高温により化学反応を起こし脱炭酸(※2)することなどから、多量のCO2が発生する。太平洋セメントは省エネルギー設備の導入やキルン運転の安定化・効率化によるエネルギー消費量削減の推進、廃棄物やバイオマス由来のエネルギーの使用により化石エネルギーの使用を減らす等、CO2の発生を抑制する対策を進めてきたが、これに加え、大幅なCO2低減に向けた技術として排ガスからのCO2回収技術の開発にも着手する。

化学吸収法は清掃工場などで導入された実績はあるが、セメントキルン排ガスを対象とするのは国内では初めての試みとなる。セメントキルン排ガスには、化学吸収法を適用する上で留意すべき酸性ガス等の成分が含まれているため、その影響度を詳細に評価し対策を検討する。予定では平成31(2019)年1月には設備の設置を終えて実証試験を開始する。

※1 CCS
火力発電所等から排ガス中の二酸化炭素(Carbon dioxide)を分離・回収(Capture)し、貯留(Storage)する技術。環境配慮型CCS実証事業は 2016〜2020年度までの5年間において実施され、国内での円滑なCCS導入に向け回収設備の運用性等に関する知見を取得・公開するもの。同社は2018年からの参画となる。

※2 石灰石が脱炭酸する仕組み: CaCO3→CaO+CO2

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】