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2018年10月29日

【知 識】京都大学 子育て経験により相手の感情の読み取りが敏感になることを解明


京都大学 明和政子教育学研究科教授、松永倫子同博士課程学生、田中友香理同助教らの研究グループは、育児経験者(母親)は成人の表情から感情をより正確に読み取っており、さらに、不安傾向が高い母親ほど乳児や成人の表情をより敏感に知覚していることを明らかにした。

養育者は、乳児の表情や声をたよりに乳児の感情を敏感に読み取り、適切な対応をとらなければならない。しかし、それができないと自分を責め、過度に育児ストレスをためこむ養育者は少なくない。研究グループは、初産で生後7ヶ月児から10ヶ月児を育児中の母親と、出産・育児経験のない同年代の成人女性(非母親)を対象に、乳児および成人の表情から感情を知覚し、読み取る能力にどの程度の個人差がみられるかを検証した。その結果、母親が非母親よりも、成人の表情から感情を正確に読み取っていることが明らかになった。さらに、不安傾向の高い母親ほど、相手の表情を敏感に知覚していることも分かった。

研究成果は、養育経験や不安気質によって他者の表情への知覚が柔軟に変化し、そこに一定の個人差が見られることを明らかにした世界ではじめての成果で、今後はこうした性質が母親の養育行動にどのように反映されているのか、また神経内分泌ホルモンや生理ストレスにどのように関連しているのか検証することで、産後うつや育児ストレスの本質的な理解と対策の立案への貢献が期待される。

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投稿者:gotsuat 09:40| 流通