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2018年09月06日

【流 通】奥村組、テクノプロ、北陸鋼産 覆工コンクリートの高速打設システムを開発


奥村組、テクノプロ、北陸鋼産は、山岳トンネル工事における覆工コンクリートの急速施工を可能とする高速打設システムを開発した。

山岳トンネル工事で急速施工を実現するためには、長孔発破などにより一掘進長を長くして掘削を急速化するだけでなく、後続の覆工コンクリートの施工も掘削に遅れず進捗させる必要がある。その手段の一つに、コンクリート打設の型枠となるセントルを通常よりも長尺にし、一回の打設スパン長を延伸する“ロングスパンセントル方式”があるが、この方式では、一回のコンクリート打設量が通常のセントルに比べ大幅に増加するため、従来の打設サイクルを維持するためには、打設の高速化が重要な課題となっている。

今回開発した覆工コンクリートの高速打設システムは、「前後の同時打設」、「左右の同時打設」、「圧入方式を併用する打設」という各要素技術を取り入れることで、ロングスパンセントルを用いて打設スパンが18m程度に伸びても、通常の10.5mと同程度もしくはさらに短い時間で打設を完了することを目的としている。

覆工コンクリートの高速打設システムの有効性を中日本高速道路発注の中部横断自動車道・石合トンネル工事で検証した。今回は、通常の10.5mのセントルを用いたコンクリート打設に適用して要素技術の検証を行い、施工時間の結果から、ロングスパンセントルを用いて打設スパンが18.0mに伸びても、通常の施工方法による10.5mと同程度の時間での打設完了を見込めることが確認できた。また、施工中においては、前後・左右の同時打設や圧入方式を併用する打設によってセントルに過剰な圧力や変位が生じることはなく、セントル脱型後においても、コンクリート表面の出来栄えやコンクリートの圧縮強度、透気係数の測定結果から、通常の施工方法と相違ない品質を有していることも確認できた。

今後は、ロングスパンセントルへの本格適用に向け、さらなるブラッシュアップを図るとともに、山岳トンネルの急速施工技術として積極的に提案していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通