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2018年09月04日

【環 境】東芝インフラシステムズ リチウムイオン電池で世界初の鉄道車両向け欧州安全規格の取得


東芝インフラシステムズが開発したリチウムイオン電池「SCiB」を使用した蓄電池システムが、鉄道車両に要求される欧州規格EN50126(RAMS※1)およびRAMSの安全性(Safety)に関するEN50129の認証をSIL 4※2(最高水準)として取得した。リチウムイオン電池を使ったシステムが鉄道車両向け欧州規格の認証を取得するのは世界で初めての事例となる。

今回、認証を取得したのは最大28直列(公称DC773V)までの電池モジュール、電池モジュールを制御し電圧や温度などの情報を車両に通知する装置(BMU※3)、安全を管理するための監視装置(SSU※4)等で構成される蓄電池システムである。

大量輸送機関である鉄道は、安全性の確保が厳しく求められており、中でも欧州における車両および車両に搭載するシステム・部品にはRAMS規格と呼ばれるEN50126、EN50129の適合が必須となる。

蓄電池システムがRAMSの安全目標を達成するために種々の対策が求められるが、「SCiB」は異常発熱や発火を起こしにくい構造となっているため、機器箱も含めた蓄電池システムでの内部短絡発生に伴う事象の対策が不要である。さらに-30℃の環境下でも充放電可能な性質であるため、低温時の保護も不要となる。

「SCiB」の安全性での特長を活かし、監視及び制御システムを簡素化することで信頼性を上げ、さらにハードウェアのみで構成することで誤動作のリスクを低減した多重安全構成を採用した。

※1 RAMS(Reliability Availability Maintainability and Safety)
信頼性,有効性,保守性,安全性の仕様と実証
※2 SIL4(Safety Integrity Level 4)
1時間当たりの危険側失敗の平均頻度 1×10-8未満の水準
※3 BMU(Battery Management Unit)
※4 SSU(Safety Supervisor Unit)
※5 CMU(Cell Monitoring Unit)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】